民間の安いPCR検査・市販のキット・クリニックの違いとは
新型コロナウィルスは症状がなくても、感染している可能性がある感染症です。そのため、自分がコロナウィルスに感染しているのかを知るために、PCR検査を受けたいと考えている方が多くいます。
2020年春ごろはPCR検査ができる数には限界があり、検査をなかなか受けられなかった時期もありましたが、現在は解消されています。
無症状だけど家族に既往症がある方や、海外渡航前、会社で不特定多数と会う機会が多い方など、症状がない方でもPCR検査を受けられるようになりました。
そんななか、民間で安価なPCR検査を受けられるようになりました。実際、クリニックの検査とどのような違いがあるのでしょうか。
目次
新型コロナウィルス検査の種類
項目 | PCR検査 | 抗原検査 | 抗体検査 |
---|---|---|---|
検査結果でわかること | 現在の感染の有無 | 現在の感染の有無 | 過去の感染の有無 |
検査で検出するもの | ウィルスの遺伝子 | ウィルスそのもの | 抗体 |
検体 | 鼻咽頭ぬぐい液 or 唾液 | 鼻咽頭ぬぐい液 or 唾液 | 血液 |
判定するには | 専用の検査機器・検査技師 | 検査キット | 検査キット |
検査時間 | 4~8時間 | 30分 | 20分 |
精度 | 高い | PCR検査より低い | 信頼性不足 |
新型コロナウィルスの検査は、「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」の3種類があります。
PCR検査は、少ない量のウィルスで検出可能な検査です。精度が高いことから、医師による感染有無の診断(確定診断)にはPCR検査が用いられています。
抗原検査は、ウィルスの遺伝子ではなくそのものを検出する検査です。簡易的に行えるのがメリットですが、精度はPCR検査より低いことがデメリットです。陽性・陰性の確定診断には、PCR検査が必要です。
抗体検査は、過去に感染していたかを調べるものです。
もし陽性反応がでた場合は、症状や濃厚接触の状況に応じて再度PCR検査が必要です。
また、抗原検査も抗体検査も陰性であっても「感染していない」と、断言できないことを覚えておきましょう。
関連記事:新型コロナウイルス感染症のPCR検査とはなにか|抗原検査・抗体検査の違いとは
PCR検査を受けるには
無症状の方がPCR検査を受けるには、いくつか選択肢があります。
- 市販のPCR検査キット
- 民間のPCR検査センター
- クリニックの来院検査
- クリニック・検査機関の郵送検査
発熱や味覚がない、濃厚接触者など、新型コロナウィルスに感染している恐れがあると医師が診断した場合は、保険適用のPCR検査を行います。
症状がある方は、かかりつけの医療機関や保健所に相談しましょう。当クリニックでもPCR検査を受けられますので、お電話の上ご来院ください。
市販の検査キット
項目 | 市販のPCR検査キット | 市販の抗原検査キット | 市販の抗体検査キット |
---|---|---|---|
便利性 | インターネットで注文ドラッグストアで購入 | インターネットで注文ドラッグストアで購入 | インターネットで注文ドラッグストアで購入 |
検査の感染リスク | 〇 | 〇 | 〇 |
価格 | 9,000~17,000円程度 | 3,000~6,000円程度 | 2,000~4,000円程度 |
検体 | 唾液 | 鼻咽頭ぬぐい液 or 唾液 | 血液 |
わかること | 現在進行形で新型コロナウィルスに感染しているか | 現在進行形で新型コロナウィルスに感染しているか | 過去に新型コロナウィルスに感染していたか |
結果がわかるタイミング | 検体到着から3時間~数日後 | 20分~30分 | 15分程度 |
精度 | 高い | PCR検査より低い | 信頼性不足 |
※2020年12月調べ
市販されている検査キットは、自身で手軽に検査を行えるのがメリットです。複数回分のセットで購入した方が費用を抑えられます。団体で検査したい場合や、定期的に検査を行いたい場合はセットでの購入がおすすめです。
PCR検査のみ、販売している企業が定めた方法で検体を郵送し、検査結果を得る必要があります。
ただしデメリットはどの検査キットも、感染有無の確定とはならないことです。
民間のPCR検査センター
項目 | 民間のPCR検査センター |
---|---|
便利性 | 予約のみで検査が受けられる駅前などの立地が多い |
検査の感染リスク | ▲ |
価格 | 2,000円程度 |
検体 | 唾液 |
わかること | 現在進行形で新型コロナウィルスに感染しているか |
結果がわかるタイミング | 翌日(当日は追加料金) |
精度 | 検査方法や検査会社によって異なる |
※2020年12月調べ
民間のPCR検査センターでは、低価格で検査を行っています。2020年12月現在は都内を中心に展開されており、一日の検査数も多いのが特徴です。団体検査を受け付けている機関もあるため、会社やチームなどの団体で受けたい場合におすすめです。
格安で手軽に受けられるのがメリットで、出張や帰省前に一応検査しておきたい場合に有効です。
駅前など人の往来が多い場所にPCR検査センターがあるケースが多いため、どうしても感染リスクは少ないとは言い切れません。
陽性反応がでた場合は改めて医療機関への受診が必要です。また、陰性証明書を発行できる民間検査機関もありますが、別途料金がかかります。
クリニックの来院検査
項目 | クリニック来院のPCR検査 |
---|---|
便利性 | 予約が必要クリニックに来院 |
検査の感染リスク | 〇 |
価格 | 20,000円~40,000円程度 |
検体 | 鼻咽頭ぬぐい液 or 唾液 |
わかること | 現在進行形で新型コロナウィルスに感染しているか |
結果がわかるタイミング | 当日~数日後 |
精度 | 高い |
※2020年12月調べ
一部のクリニックで、PCR検査を受け付けています。自費診療でのPCR検査となるため、クリニックによって費用が大きく異なります。医療機関による検査のため、安全性が高いといえるでしょう。
ただし、予約の必要性、専用の入口や検査室の設置など、感染対策方法はクリニックによってさまざまです。検査を検討しているクリニックがどのような対策を行っているのか、事前にしっかりと確認したうえで申し込みましょう。
関連記事:コロナPCR検査の費用相場とは?東京のクリニック比較
クリニック・検査機関の郵送検査
項目 | 郵送のPCR検査 |
---|---|
便利性 | 郵送のみで検査が受けられるクリニックへの受診が不要 |
検査の感染リスク | 〇 |
価格 | 10,000円~35,000円程度 |
検体 | 唾液 |
わかること | 現在進行形で新型コロナウィルスに感染しているか |
結果がわかるタイミング | 当日~数日後 |
精度 | 検査方法や検査会社によって異なる |
※2020年12月調べ
郵送によるPCR検査は、外出や受診が不要なため、他人との接触が避けられます。「クリニックへの受診は感染者との接触が怖い」「感染が不安で外出を控えている」といった場合に、郵送検査がおすすめです。
市販の検査キットや民間PCR検査センターと同じく、陽性反応がでた場合は改めて医療機関を受診する必要があります。
関連記事:民間の安いPCR検査・市販のキット・クリニックの違いとは
安全に精度が高い検査を受けたいならクリニックの郵送検査がおすすめ
クリニックの郵送検査は、安全性や検査の精度も高くおすすめです。クリニックに来院して検査を受ける場合と、基本的に検査方法は同じです。
忙しい方や、クリニックへ移動中での感染リスクを少しでも抑えたい方は、郵送検査をおすすめします。
郵送検査でもクリニックによっては、陰性証明書を発行しています。ただし、別途オンライン診療が必要なケースもあるため、あらかじめ発行条件を確認しておきましょう。
クリニックの郵送検査で陽性反応が出た場合、その後どうすればいいのかを医師から指導してもらえます。
安価な民間のPCR検査もありますが、独自の検査方法を採用している場合があり、精度にはばらつきがあるのが現状です。また陽性結果がでたときに、保健所との連携がないため、自信で保健所や医療機関へ連絡する必要があります。
陰性証明書をもらいたいなら
陰性証明書が必要な場合、クリニックや指定の医療機関でのPCR検査をおすすめします。
渡航目的の場合、指定された医療機関で厚生労働省が承認している方法による検査および、指定フォーマットの陰性証明書が必要なケースがあるためです。国によって基準が異なるため、事前に確認したうえで検査を受けましょう。
また信憑性の観点から、医師の診療を受けたうえで陰性証明書を発行してもらった方が安心です。
郵送や民間PCR検査センターでも、医師と連携しているところであれば、陰性証明書を発行しているケースがあります。ただし陰性証明書の発行は、検査を行っている団体によって条件が異なるため発行条件をよく確認しましょう。
もし検査キットで陽性反応がでたら
検査キットで陽性反応がでた場合、クリニックや保健所で再検査が必要です。
市販のPCR検査キットや抗原検査などでは、感染を確定できないのがひとつの理由です。
ふたつ目の理由は、市販の検査キットの結果は、保健所への報告義務がないためです。陽性反応が出たにもかかわらず、医療機関や保健所に連絡をしないでおくと、保健所は新型コロナウィルスの感染者を正確に把握できず、対策できません。そうなると、クラスターの発生につながりかねないのです。
市販の検査キットで陽性反応が出たときは、かかりつけの医療機関や保健所、新型コロナウィルス感染症相談センターなどに電話で相談し、指示に従って受診しましょう。連絡せず陽性反応がでている検査キットを持ち込んでも、対応してもらえない恐れがあります。
クリニックの検査で陽性反応がでた場合は、感染症法により保健所への報告が義務付けられているので、個人が保健所への連絡する必要はありません。どのように過ごすかは、医師と保健所の指示に従って行動しましょう。
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