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HIV/エイズを”防ぐ”時代へ……PrEP/PEPのご案内

HIVに感染した方が、決められた一定の疾患を発症した状態をエイズ(AIDS)といいます。

そのHIV感染予防として現在もっとも有効とされているのが『予防薬(PrEP・PEP)』です。
「もし感染したら…」という不安に応える手段として、
正しく服用することで高い予防効果が期待でき、国内外で広く活用されています。

本ページでは、HIV予防薬の効果や服用方法、費用、注意事項についてわかりやすく解説します。

HIV感染予防薬とは…?

HIV予防薬には、感染リスクがある行為の前から服用するPrEPと、
感染の可能性のある行為の後に緊急的に服用するPEPの2種類がございます。

HIVの治療薬・予防薬は多くの場合3つの有効成分が含まれたお薬をまとめて内服する治療法になります。
PrEPはその3つの有効成分のうち2つ、PEPは3つ全ての有効成分が含まれてるお薬になります。
使用用途によって有効成分が変わります。

予防薬使用の際は使用前の陰性確認検査、
使用後のフォローアップ検査を行うことを当院では推奨しております。
検査未実施の状態では処方出来かねる場合もございますので予めご了承下さいませ。

当院ではPrEPとPEPどちらもご用意がありますので、
詳しくご説明いたします。

使用が推奨される方
・セックスパートナーがHIVの感染者の方
・セックスの頻度が高い、相手が多い方
・肛門を使用した性行為がある場合
・性感染症に感染したことがある
・セックスの際にコンドームを使わないことがある
・風俗店で働いている
・針刺し事故などがあった場合(PEP)

内服ができない、もしくは内服に注意が必要な方
・HIVに感染されている方
・HIV感染の可能性がある方
・B型肝炎ウイルスに感染している方
・腎機能に問題がある方
・未成年の方

PrEP 曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis)

セックスパートナーがHIV感染者の場合等、
日常生活においてHIV感染のリスクが非常に高い方が、
基本毎日内服を行いHIV感染を予防する方法です。
正しい使用法で内服することでHIVへの感染を高い確率で予防できます。

デイリーPrEP…99.9%
オンデマンドPrEP…85%
※効果には個人差がございます。

当院ではデシコビのジェネリック医薬品である、
『タフェロ(Tafero-EM)』を採用しております。

ご料金 

1ヶ月分(HIV・B型肝炎・腎機能検査つき)9,800円
3ヶ月分(HIV・B型肝炎・腎機能検査つき)19,800円
6ヶ月分(HIV・B型肝炎・腎機能検査つき)36,800円

内服方法 

デイリーPrEPは原則毎日継続して服用する方法です。
タフェロ(Tafero-EM)はオンデマンドPrEPの有効性が不確定な部分が多いので、
当院ではオンデマンド使いは推奨しておりません。

注意事項
・毎日同じ時間に服用する
飲み忘れた場合はすぐに内服し、翌日からはいつも通りの時間に内服してください
 一度に2錠は内服しないようご注意ください
・使用前にHIV・B型肝炎・C型肝炎・腎機能検査を受ける
・デイリーPrEPは予防効果が現れるまで7日程度かかる
・他の性感染症には効果がない

服用の終了のタイミング
最後のリスク行為から最低でも2日間服用した後にやめる必要があります。

副作用について 

PrEPの安全性は世界的にも認められ、副作用も比較的少ないと言われていますが、
腎機能障害、吐き気、腹痛、下痢などの副作用が生じる可能性がございます。
上記副作用は長くても1週間程度で落ち着くことがほとんどです。

また長期使用の場合は腎機能に影響がでることがあります。
定期的に腎機能検査も実施していただくようお願いいたします。

注意事項
・副作用によっては服用の中止が必要な場合もありますが、
 自己判断で服用中止・服用方法を変更しないようご注意ください。
・体の異常を感じた場合にはすぐに病院へ連絡してください。

適用のある方 

デイリーPrEPは、
ヘテロセクシャル・MSM・トランスジェンダー女性をはじめとして、
HIV感染リスクのある方全てに適用可能とされています。

当院で扱っている薬剤はタフェロ(Tafero-EM)のため、
原則オンデマンドPrEPとしての使用はできませんが、
慢性B型肝炎を患っている方はオンデマンドPrEPは非適用となります。
※PrEPには慢性B型肝炎の治療薬でもあるテノホビルという成分が含まれているため、
 PrEPを中断するとすることで結果としてB型肝炎の治療を終了することになり、
 B型肝炎が急激に悪化する可能性があります。

デイリーPrEPとオンデマンドPrEPいずれも適用となる人は、
MSM・異性愛者のシスジェンダー男性・ホルモン治療を受けていないトランス女性
とされています。

PEP 曝露後予防(post exposure prophylaxis)

HIV感染懸念の行為後(曝露後)72時間以内に
抗HIV薬「抗レトロウイルス薬」の内服を開始し、
約28日間継続して服用を続けることでHIVへの感染を防ぐ方法です。

PEP療法はビクタルビというお薬を内服致しますが、
ビクタルビは先発医薬品のため薬価が1錠約7,000円と非常に高く、
1ヶ月で約20-30万円程かかる計算です…。
まだ知名度が低いのも事実ですが、
中々手が出しずらい価格のため予防の選択肢に入りづらいです…。
当院では患者様にHIV予防を選択肢の1つとして取り入れやすいよう、
先発品よりも比較的安価な、
『タフィック(Taffic)』というジェネリック医薬品を採用しております。

ご料金 

1ヶ月分(HIV・B型肝炎・腎機能検査つき)59,800円

内服方法 

1日1回の内服を28-30日間続ける必要があります。

注意事項
・毎日同じ時間に服用する
飲み忘れた場合はすぐに内服し、翌日からはいつも通りの時間に内服してください
 一度に2錠は内服しないようご注意ください
・使用前にHIV・B型肝炎・C型肝炎・腎機能検査を受ける
・HIV以外の性感染症には効果がない

副作用について 

吐き気などの副作用を引き起こす可能性がありますが、
制吐剤などで軽減できる程度の軽度なものとされています。
長くても1週間程度で落ち着くことがほとんどです。

注意事項
・副作用によっては服用の中止が必要な場合もありますが、
 自己判断で服用中止・服用方法を変更しないようご注意ください。
・体の異常を感じた場合にはすぐに病院へ連絡してください。

対象の方 

PEPは、
ヘテロセクシャル・MSM・トランスジェンダー女性をはじめとして、
HIV感染リスクのある方全てに適用可能とされています。

妊娠中・妊娠の可能性がある場合は胎児への感染リスクも考慮が必要です。
一度産婦人科や、かかりつけ医に相談することが推奨されます。

陰性確認検査とフォローアップ検査

先述しました通り、
予防薬使用の際は使用前の陰性確認検査と使用後のフォローアップ検査実施を推奨しております。

■陰性確認検査について

陰性確認検査は、『耐性菌』という抗生剤が効かない菌の流行を防ぐために実施いたします。
性感染症に既に感染している状態でお薬を内服をすることにより、
予防及び治療を完全に行うことができず、菌がお薬に対して耐性を持ってしまいます。
この、薬に対して耐性を持ってしまった菌のことを『耐性菌』といいます。
耐性菌が流行することで、治療が困難・もしくは治療ができない事態になる可能性があります。
この耐性菌の問題により淋菌やクラミジアに効果的なお薬も徐々に種類が減ってきている状態です。
上記の観点から、当院では陰性確認検査は必ず実施していただきます。

■フォローアップ検査について
予防薬の予防効果は100%ではないことから、本当に感染していないか定期的なフォローアップ検査が必要です。
またB型肝炎に感染している場合は、PrEP/PEPの使用を中止後に症状が悪化することがあります。
とくに進行したB型慢性肝炎の場合は症状が重くなることがあります。
腎機能に問題がある場合も使用後に腎機能に影響を与える可能性がございます。
PrEP/PEPの服用によるメリット・デメリット両方ございますので、
フォローアップ検査も適切なタイミングで実施していただくことが望ましいです。

PrEPの陰性確認検査・フォローアップ検査

ガイドライン(情報元:日本エイズ学会)に則りPrEP使用の際は、
下記の表のタイミングでフォローアップ検査の受検をお願いいたします。

PEPの陰性確認検査・フォローアップ検査

PEPも同様に下記の表のタイミングでフォローアップ検査の受検をお願いいたします。

処方の流れ

STEP
問診・診察

性交渉歴や既往歴・アレルギーなどをお伺いし、
HIV感染のリスクおよびPrEP/PEP療法の適応を判断します。

STEP
検査

既にHIVに感染している場合や、B型肝炎感染者、腎機能に問題がある場合は、
内服できない場合や、慎重投与となる可能性がございます。
その他の性感染症についても、感染があるとHIVや梅毒等の感染リスクを高めるだけでなく、
性行為のお相手に移してしまうリスクもあるため、
安全に予防薬を使用いただくためにも先に必ず検査を実施いたします。

STEP
お薬の処方

内服する上での注意事項・副作用について説明を行った後、
お薬を院内にて処方いたします。
処方後は用法用量を厳守の上、内服をお願いいたします。

STEP
会計

最後にお会計になります。
下記の決済方法がご使用いただけます。

STEP
フォローアップ検査

ガイドラインに則りHIVの検査は、
内服開始時・内服1ヶ月後・内服3ヶ月後・以降3ヶ月毎(PrEPのみ)の定期検査をお願いいたします。
腎機能検査は6ヶ月もしくは12ヶ月毎に定期検査をお願いいたします。
状況に応じてB型肝炎・その他性感染症の定期検査も必要でございます。

HIVについて(基礎知識)

HIVとはヒト免疫不全ウイルス (Human Immunodeficiency Virus)の略称です。
HIVが白血球に感染することにより発症する病気です。
主にCD4陽性Tリンパ球という免疫に関わる白血球に感染するため、
感染すると徐々に免疫力が低下します。

一方でエイズ (AIDS) とは、
後天性免疫不全症候群 (Acquired Immunodeficiency Syndrome) の略称で、
HIVに感染した後に体の免疫力が低下し、特定の病気を発症した状態を指す病名です。
そのためHIVに感染していても、
エイズ発症の目安とされる23種類の病気のいずれかを発症しない限りはエイズとは言いません。

HIVに感染すると数週間後に、
インフルエンザの様な症状が現れる場合があります。
その後、個人差はありますが無症状期が数年から十数年続きますが、
その間も免疫力は低下し続けます。
だんだんと免疫が正常に働かなくなり、日和見 ひよりみ感染症を発症するようになります。
そしてエイズの指標疾患を発症した場合、エイズと診断されます

HIVとMSMの関係性

2024年に日本で報告されたHIV関連の新規報告数は、
厚生労働省発表の速報値で約1,000人と言われています。
これは3年ぶりの増加傾向となります。

そして現在の日本においてHIV感染者の約9割近くが、
MSMによる感染と報告されており、
特に20代〜30代の感染が増加傾向にあります。
※MSMとは男性間性交渉者
【Men who have Sex with Mens】の略です。

その中でも肛門に挿入される側は非常に感染リスクが高いです。
肛門の粘膜は非常にデリケートで傷つきやすく、
傷つくことにより細菌やウイルスが侵入しやすい状態になります。
下記の表はHIVの感染率をまとめたものになりますが、
肛門に挿入される側が飛び抜けて感染率が高いことがわかります。

肛門性交(受け側・ネコ)1.38%
肛門性交(挿入側・タチ)0.11%
膣性交(女性側)0.08%
膣性交(男性側)0.04%
オーラルセックスデータなし(非常に低い)
針刺し事故0.3%

勿論その他の性感染症も同様に感染率が高くなります。
肛門に淋菌やクラミジアをはじめとする性感染症の感染がある場合は、
HIV感染リスクが3〜5倍に上昇するとも言われています。

これは粘膜の炎症によりウイルスが体内へ侵入しやすくなるためと考えられます。
そのためご自身の健康のため、安心して性行為を行うためにも、
定期的な検査や正しい避妊具の使用、予防薬の使用など、
様々な感染症予防策を講じる必要があります。

女性のPrEP/PEP使用について

女性の方でもPrEPやPEPは使用可能です。
しかしながら一部使用上の制約や注意事項がございます。

例えば…
PrEPの場合、男性は7日程度で薬剤が浸透するのに対して、
女性は膣組織への薬剤浸透に3~4週間かかると言われています。
そのため予防効果が現れるまでにかなり時間がかかることから、
女性はデイリー使いしか適用ではありません。
また上記の理由により、月経中の休薬等も推奨できません。

なかなか周りの方に相談しづらい内容になりますが、
性感染症に特化した当院の医師やカウンセラーへの相談も可能ですので、
是非お気軽にご相談くださいませ。

詳細は当院にお問い合わせください
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【Tell】050-1730-2762
【Mail】kawasakikensa-clinic@luna-dr.com