「アナルセックスは性病になりやすいって聞いたけど本当?」「特別な予防法があるの?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
アナルセックスは他の性行為よりも感染リスクが高く、正しく予防しなければパートナーと共に感染するリスクが高まります。
この記事では、アナルセックスで起こりやすい性感染症の種類や、安全におこなうための具体的な予防方法、受診の目安について解説します。
アナルセックスの正しい知識や予防法を身に付け、自身とパートナーの健康を守りましょう。
アナルセックスで起こりやすい性感染症
アナルセックスは、口や膣を使った性行為に比べて粘膜が薄く傷つきやすいため、性感染症のリスクが高い性行為です。
肛門の粘膜や直腸は膣と異なり、潤滑液(分泌物)の機能がないため、外部からの衝撃で傷つきやすく、細菌やウイルスが侵入しやすい状態にあります。
そのため、予防策を講じないままアナルセックスをおこなうと、さまざまな性感染症に感染するリスクが高まります。
アナルセックスで起こりやすい性感染症は、以下の種類が挙げられます。
- HIV
- 梅毒
- 淋菌
- クラミジア
- 尖圭コンジローマ
- B/C型肝炎
- ヘルペス
性感染症は無症状のことも多く、自覚がないままパートナーに感染させてしまう可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、アナルセックスで起こりやすい性感染症の種類や症状を解説します。
HIV
アナルセックスは、HIV感染のリスクが最も高い性行為の一つです。
HIVは、感染者の体液(精液、膣分泌液、血液など)が、粘膜の傷口や体内に侵入することで感染します。
アナルセックスでは、肛門や直腸の粘膜が傷つきやすく、そこからウイルスが体内に侵入しやすいため、感染リスクが高まります。
特に、挿入される側(受け手)は、挿入する側(攻め手)よりも感染リスクが高いとされています。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因で引き起こされる性感染症で、日本国内で感染者数が急増しています。
感染者の皮膚や粘膜の病変部と直接接触することで感染し、アナルセックスも感染経路の一つです。
梅毒の症状は感染後の経過期間によって、段階的に変化していきます。
感染後から約3週間ごろは第1期と呼ばれ痛みやかゆみのない「硬性下疳」と呼ばれる、しこりやただれが発生します。
その後、数か月経過すると第2期まで進行し、病原菌が血液に乗って全身に広がり「バラ疹」と呼ばれる赤い発疹が体中に出ます。
梅毒は晩期まで治療をせずに放置していると「ゴム腫」と呼ばれる腫瘍ができたり、心臓、血管、脳などの複数の臓器に重い病変が生じたりして、死に至る場合もあるため注意が必要です。
淋菌・クラミジア
淋菌とクラミジアは、細菌感染によって引き起こされる性感染症で、アナルセックスによって直腸に感染する場合があります。
直腸に感染した場合は「直腸淋病」や「直腸クラミジア」と呼ばれます。
淋菌とクラミジアは自覚症状がない場合が多く、感染に気付かないケースも少なくありません。
稀に、粘液の分泌や排便時の痛み、下腹部の不快感などを伴うことがあります。
無症状の場合でも感染は進行し、放置すると不妊の原因になるため注意が必要です。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、性器や肛門周辺にイボができる性感染症です。
アナルセックスによって肛門周辺に感染しやすく、性行為の際にウイルスが付着した部分からイボが形成されます。
尖圭コンジローマのイボは、カリフラワー状や鶏冠状の突起で、色はピンク色や褐色をしています。
痛みやかゆみはほとんどありませんが、放置するとイボが大きくなったり増えたりします。
尖圭コンジローマは非常に感染力が強く、コンドームで覆われていない部分からも感染することがあるため注意しましょう。
B/C型肝炎・ヘルペス
B型肝炎・C型肝炎・性器ヘルペスは、アナルセックスを通じて感染する可能性があります。
B型肝炎とC型肝炎は、血液や体液を介して感染し、肝臓に炎症を引き起こす病気です。
アナルセックスによって粘膜が傷つき出血した場合、感染のリスクが高まります。
ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが原因で、肛門周辺に水ぶくれや潰瘍ができ、強い痛みを伴います。
一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、免疫力が低下したときに再発を繰り返す場合があるため注意が必要です。
性感染症の予防方法
アナルセックスにおける性感染症のリスクを減らすためには、正しい知識に基づいた予防策を講じることが不可欠です。
適切な予防策を実践することで、自分自身とパートナーの健康を守れます。
ここでは、最も基本的な予防法から、性行為の際に特に注意すべき点について解説します。
基本的にはコンドーム
アナルセックスを含む性行為における性感染症の予防には、コンドームの使用が基本です。
コンドームを使用することで、精液や膣分泌液、血液といった体液を介した感染を大幅に防げます。
ただし、コンドームは完璧な予防策ではありません。
尖圭コンジローマやヘルペスなど、コンドームで覆われていない部分から接触感染する性感染症もあるため、注意が必要です。
また、コンドームが破れたり外れたりするリスクもゼロではないため、正しい使い方を徹底しましょう。
使い回しはNG
コンドームは、性行為のたびに必ず新しいものに交換し、使い回しはやめましょう。
アナルセックスの後に膣へ挿入する場合や、複数のパートナーと性行為をおこなう場合でも、その都度新しいコンドームに付け替えることが大切です。
体液や血液が付着した器具を共有すると、性感染症だけでなく、肝炎などの血液を介した感染症のリスクも高まります。
安全な性行為のためには、コンドームや性具は清潔に保ち、使い捨てできるものは再利用しないことが重要です。
アナルセックスを安全に行うためには
アナルセックスを安全に楽しむためには、性感染症の予防だけでなく、身体への負担を減らすための注意が必要です。
肛門周辺はデリケートなため、無理な行為は怪我や出血につながる可能性があります。
ここでは、パートナーと互いに気持ちよく、かつ安全なアナルセックスをおこなうために確認すべきポイントを解説します。
爪や皮膚に傷がないかを確認
アナルセックスをおこなう前に指や爪、パートナーの肌に傷がないかを確認することが重要です。
肛門周辺のデリケートな粘膜は、小さな傷からでもウイルスや細菌が侵入しやすいため、爪は短く切っておくことが推奨されます。
また、手や指を使う際には、事前に石鹸でよく洗うなど衛生面にも注意を払いましょう。
出血している場合は中止
アナルセックスを安全におこなうためには、出血している場合は感染症予防のため中止しなければなりません。
肛門周辺の粘膜は膣と異なり、切れやすく出血を伴う場合があります。
もし出血が確認された場合は、感染リスクが非常に高まるため、その時点ですぐに中止してください。
出血がある状態で性行為を続けると、HIVやB型・C型肝炎といった血液感染のリスクが飛躍的に高まります。
アナルセックスをおこなう場合は無理をせず、パートナーの身体を尊重することが最も重要です。
器具は毎回洗浄・消毒する
アナルセックスに使用する器具(セックストイ)は、使用するたびに必ず洗浄・消毒してください。
洗浄が不十分だと、前回の使用で付着した細菌やウイルスが残存し、次の使用時に感染源となる可能性があります。
特に、複数のパートナーと共有する場合は、さまざまな性感染症の感染リスクが高まるため注意が必要です。
器具は専用の洗浄剤や石鹸、消毒液を使用し、衛生的に保ちましょう。
コンドームは使うたびに新しく変える
安全にアナルセックスをおこなうためには、コンドームは使うたびに新しく変えることが重要です。
コンドームはアナルセックスを含む全ての性行為において、使い捨てが鉄則となります。
同じコンドームで複数の行為をおこなったり、一度使ったものを再利用すると、性感染症の感染リスクが大幅に高まります。
コンドームは使うたびに新しいものに変え、感染リスクを減らしましょう。
受診の目安
「アナルセックスをおこなったけれど感染したか分からない」「どのような場合に受診すればいいの?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
万が一、アナルセックス後に体調の変化や、気になる症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
一般的に、アナルセックスで感染する感染症は、肛門痛や出血・膿など以下の症状を発症します。
- 排便時の痛みや違和感
- 肛門周辺にイボやしこり、潰瘍ができる
- 肛門から分泌物が出る
- 発熱、リンパ節の腫れ、倦怠感
- 全身に発疹が出る
しかし、アナルセックスで感染する性感染症は、無症状の場合も少なくありません。
性感染症は無症状であっても菌やウイルスが体内に残っており、パートナーへ感染させてしまう可能性があります。
アナルセックスをおこなった後にパートナーとの関係で感染リスクが心配になった場合は、症状がなくても検査を受けることが重要です。
早期発見・早期治療が、病気の進行を防ぐだけでなく、パートナーへの感染を防ぐことにもつながります。
検査は泌尿器科や性病科、婦人科、または性感染症専門のクリニックで受けられます。
特に、性感染症専門のクリニックは性病に特化しており、他のクリニックでは治療が難しい性感染症の治療も可能です。
また、全国の保健所では匿名かつ無料で、性感染症の検査を実施していますが、検査が受けられる性病や日時が限られており、予約が必要な場合もあるため注意が必要です。
保健所の性病検査を利用する場合は、事前に検査可能な性病や日時を確認しておきましょう。
まとめ
アナルセックスは、性感染症のリスクが高い性行為ですが、正しい知識と予防策を講じることでリスクを減らすことが可能です。
まずは、コンドームを正しく使用し、パートナーと一緒に定期的な性病検査を受けましょう。
万が一、肛門や性器周辺に痛みやかゆみ、イボなどの病変があらわれた場合は、医療機関を受診しましょう。
性感染症は無症状のまま進行し、合併症や重篤な症状を発症する場合もあります。
感染が疑われる場合や、感染リスクの高い行為をした際は、速やかに医療機関を受診し、検査・治療を受けましょう。
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