「トリコモナスは男も感染するの?」「自然治癒しないって本当?」と、疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
男性も女性同様にトリコモナスに感染しますが、無症状の場合も多く気づかずに放置してしまうと合併症のリスクが高まり危険です。
この記事では、トリコモナス性病の症状や治療方法を徹底解説します。
男性がトリコモナス性病にかかった場合の検査方法や、治療中の注意事項も紹介するため参考にしてみてください。
トリコモナスとは?
トリコモナスは、0.01mm〜0.025mmほどの大きさをした原虫の一種です。
クラミジアや尖圭コンジローマ・HIVのように、細菌やウイルスによって感染するのではなく、原虫が原因の性感染症です。
主に、性交渉や間接的な接触によって膣や尿道に入り込み、トリコモナス性病を発症させます。
トリコモナスの潜伏期間は5日~1か月程といわれており、人によっては感染から半年以上経過してから症状が現れる場合もあります。
性感染症の中でも感染力は高く、約7割の確率でパートナーに感染するため注意が必要です。
また、「腟トリコモナス」と呼ばれることもあり、女性特有の感染症と誤解している方も少なくありません。
しかし、トリコモナス原虫は男性にも感染し、さまざまな症状を発症させるため、正しい知識を身に付けましょう。
男性がトリコモナスに感染したときの症状
「トリコモナス性病はどんな症状が出るの?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
男性の場合は尿道や前立腺・精嚢に感染するため、以下の症状が発生します。
- 排尿時の尿道のかゆみ
- 排尿時の違和感
- 尿道分泌物
性器周りに違和感や異常が発生した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
無症状のリスク
男性のトリコモナス性病で特に注意が必要なのは、無症状であるケースが非常に多いことです。
症状の出やすい女性に比べ、男性の場合は50%~75%の方がトリコモナス性病に感染しても無症状といわれています。
そのため、トリコモナス性病に気づいた時には、感染から長期間経っている場合も少なくありません。
「症状が出ていないから感染していない」わけではないため、無症状の場合でもパートナーの女性がトリコモナス性病と診断された場合は、必ず医療機関での検査や治療を受けましょう。
トリコモナスの感染経路と原因
「トリコモナスはどうやって感染するの?」「性交渉以外に感染する可能性があるの?」と、不安に感じている方もいるでしょう。
ここでは、トリコモナス性病の感染経路を解説するため、感染予防の対策に役立てましょう。
性交渉による感染
トリコモナス感染症の最も一般的な感染経路は性交渉です。
膣性交によって男性の場合は尿道、女性では膣にトリコモナス原虫が感染します。
最も多いのは膣交渉ですが、オーラルセックスでも感染の可能性はあります。
トリコモナス性病に感染している場合や、感染が疑われる人との性行為は避けましょう。
公共施設などでの間接感染の可能性
トリコモナス性病は性行為以外に、ごく稀に間接的に感染する可能性もあるため注意が必要です。
不衛生な浴場やサウナの場合、浴槽や椅子などから感染する可能性があります。
また、感染している人の分泌液が付着したタオルや下着を共有すると、感染する場合があります。
浴場やサウナを利用する場合は性器が直接つかないよう、タオルを敷いたり、清潔に洗ったりするなど対策を立てましょう。
自身が感染している場合は、浴場やサウナなどを利用することで他の人に感染させてしまう恐れがあります。
感染の疑いがある場合は浴場やサウナなど、公共施設の利用は避けるようにしましょう。
男性が受けるべき検査方法
「男性はどのような検査をするの?」「検査に痛みはあるの?」と、検査に対して不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、男性がトリコモナス性病に感染している際の検査方法を解説します。
泌尿器科での検査
男性のトリコモナス性病は尿道に感染するため、主に泌尿器科でおこないます。
検査方法は尿検査をおこない、顕微鏡でトリコモナス原虫の有無を確認します。
しかし、尿検査は手軽な分、感度が低く原虫の数が少ない場合など「偽陰性」となる可能性もあります。
トリコモナス性病の感染の可能性が高いにもかかわらず、原虫が確認できない場合は分離培養法やPCR法での精密検査が必要です。
また、男性の場合はトリコモナス原虫が尿道に感染するため、尿の採取方法に注意しなければなりません。
通常、尿検査では排尿の途中で採取する「中間尿」を使用して検査をおこないます。
しかし、排尿と同時にトリコモナス原虫が洗い流されてしまうため、出始めの初尿を採取します。
また、トリコモナス原虫をより確実に確認するために、数時間ほど排尿していない状態で初尿を採取しましょう。
保険適用と自費の違い
トリコモナス性病の検査は、症状の有無や状況によって保険適用の可否が異なります。
保険適用となるのはトリコモナス性病の症状が出ており、医師が検査を必要と判断した場合です。
一方、自費診療は症状の有無にかかわらず、希望に応じて検査をおこなえます。
保険適用で検査をする場合は3割負担となり1,000~2000円ほど、自費診療では3,000円~6,000円ほどです。
医療機関や診察する医師によって異なるため、確認してみましょう。
男性のトリコモナス症の治療方法と注意点
性病の治療をおこなう場合は、完治するまで性行為やアルコールの摂取を避けなければいけないため、治療方法や期間が気になる方も多いでしょう。
一般的に、トリコモナス性病の治療は内服薬にておこないます。
トリコモナス性病は自然治癒しないため、症状が出ている場合や感染が疑われる場合は医療機関にて治療を受けましょう。
主な治療薬
トリコモナス性病の主な治療薬は、一般的にフラジールやチニダゾールが用いられます。
女性の場合は膣錠も使用しますが、男性の場合は内服薬のみで治療がおこなわれます。
症状や状態によって内服量や投薬日数が異なるため、医師の指示に従って服用しましょう。
治療中の性行為と生活上の注意点
トリコモナス性病の治療中は、性行為やアルコールの摂取を避けましょう。
治療薬の服用中は体内にトリコモナス原虫が残っており、性行為をおこなうとパートナーに感染させてしまいます。
トリコモナス性病の治療中は性行為を避け、再検査によって陰性が確認されるまでは感染を拡大させないようにしましょう。
また、薬の服用中にアルコールを摂取すると、相互作用により副作用が起きやすくなります。
治療効果にも影響を与える可能性があるため、アルコールの摂取は避けましょう。
放置するとどうなる?合併症と後遺症のリスク
トリコモナス性病の感染を放置すると、合併症や後遺症のリスクが高まるため注意が必要です。
男性は無症状の場合が多く、感染が進行して以下の症状や病気に発展する恐れがあります。
- 前立腺炎
- 亀頭包皮炎
- 精巣上体炎
- 不妊症
- HIV感染
トリコモナス原虫に感染していると性器の粘膜が破損してしまい、他の菌やウイルスが浸入しやすくなり合併症を引き起こしやすくなります。
また、男性の場合は排尿によってトリコモナス原虫が排出されるため、症状が一時的に軽くなる場合もあります。
しかし、原虫は体内に残っており保菌状態になるため、治療をおこなわなければパートナーに感染させてしまいます。
トリコモナス性病に感染した可能性のある場合は放置せず、医療機関を受診して必ず完治させましょう。
感染を防ぐためにできる予防策
トリコモナス性病の感染を防ぐためには、コンドームの正しい使用やパートナーとの定期的な性病検査が重要です。
コンドームの使用
トリコモナス性病の感染を予防するためには、コンドームの正しい使用が効果的です。
コンドームを使用する際は、最初から最後まで正しく装着しましょう。
しかし、コンドームを使用しても、トリコモナス性病は完全に防げません。
性器周辺の皮膚や粘膜から、トリコモナス性病に感染する可能性もあります。
そのため不特定多数との性行為を避けることも、トリコモナス性病の予防に重要です。
定期的な性病検査
トリコモナス性病を含む性病の感染を防ぐ上で、定期的な性病検査は非常に重要です。
特に、男性の場合はトリコモナスに感染しても、自覚症状がないことが多くあります。
トリコモナス性病のパートナーへの感染を防ぐためにも、症状がなくても定期検査を受けることをおすすめします。
新しいパートナーとの関係が始まる際や、少しでも感染の不安がある場合は、積極的に検査を受けましょう。
パートナーへの配慮
万が一、トリコモナス性病に感染した場合は、必ずパートナーも一緒に検査を受け、同時に治療を開始しましょう。
どちらかが治療をおこなっていないと、パートナー間で感染を繰り返してしまう「ピンポン感染」が発生します。
ピンポン感染を断ち切るためにもパートナーと一緒に治療をおこない、互いに完治するまで性行為は避けましょう。
まとめ
トリコモナス性病は女性の性病と誤解している方も多くいますが、男性にも感染するため注意が必要です。
- トリコモナス性病の潜伏期間は5日~1か月程あり、長い場合は感染から半年後に発症する
- トリコモナス性病の感染経路は、性交渉や間接感染がある
- トリコモナス性病に男性が感染すると無症状の場合が多く、放置すると合併症や後遺症のリスクが高まるため危険
- トリコモナス性病は早期発見と適切な治療によって完治できる
- トリコモナス性病はピンポン感染を防ぐために、パートナーと一緒に治療をおこなうことが重要
トリコモナス性病は放置すると慢性尿道炎や前立腺炎だけでなく、不妊やHIV感染のリスクも高まります。
無症状であっても定期的な性病検査をおこない、早期発見・早期治療に努めましょう。
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