「性病の検査はいつごろ受けたらいいの?」「前回の検査から何か月後に受けるべき?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
性病検査は性感染症の種類や、感染リスクの高さによってどの頻度で受けるべきか異なります。
この記事では、性病検査の頻度や、性病ごとの受けるタイミングを解説します。
性病検査に関する正しい知識を身に付け、自身やパートナーの健康を守りましょう。
性病検査の頻度|リスク別の目安
性病検査を受ける適切な頻度は、個人の感染リスクの高さによって異なります。
そのため、性交渉の状況やパートナーの人数、コンドーム使用の有無などを考慮し、自身のライフスタイルに合わせた性病検査の計画を立てることが重要です。
ご自身の状況を把握し、適切なタイミングで検査を受けるようにしましょう。
性交渉のない低リスクの場合
性交渉の経験がない、もしくは長期間性交渉がない方は、性病に感染するリスクは低いと言えます。
しかし、性病は性交渉以外の経路で感染する可能性もゼロではありません。
タオルやカミソリの共用など、まれなケースではありますが感染のリスクはあります。
そのため、明確な感染不安がない場合でも、年に一度は性病検査を受けましょう。
新規の相手がいる・コンドーム不使用など中リスクの場合
性パートナーが新しくなった場合や、コンドームを毎回使用していない方は、3ヶ月に1回程度の頻度での性病検査がおすすめです。
新しいパートナーと性交渉を始める場合や、特定のパートナーがいてもコンドームを毎回正しく使用していない方は、中リスクに該当します。
特に、コンドームを使用しない性交渉は感染リスクが高まるため、定期的な性病検査の頻度を上げることを検討しましょう。
不特定多数との性交渉や性風俗勤務などの高リスクの場合
不特定多数との性交渉がある、あるいは性風俗関連の仕事に従事している方は、性病検査を1~3ヶ月に1回の頻度で受けましょう。
性風俗関連の仕事や不特定多数との性交渉をおこなっている方は、性病に感染する可能性が非常に高いため、より頻繁な性病検査が不可欠です。
そのため、症状の有無にかかわらず、高頻度で性病検査を受け、自身の健康を守りましょう。
性病検査の頻度|検査項目別の目安
性病検査は、疾患ごとに適切な検査時期や頻度が異なります。
検査方法は主に「抗原検査」と「抗体検査」があり、それぞれ検出できる時期や方法が違います。
自身の感染リスクに合わせて必要な検査項目を把握し、正しいタイミングで性病検査を受けることが早期発見・早期治療につながります。
HIV
HIVの検査頻度は性行為の状況や頻度によりますが、年に1回の検査が推奨されています。
性行為のたびにコンドームを正しく使用し、感染リスクの低い方は年に1回の頻度が理想的です。
不特定多数との性行為がある場合や、コンドームを使用せずに性行為をおこなっている場合は、年に2回以上性病検査を受けましょう。
梅毒
梅毒は感染力が非常に強く、無症状の期間もあるため年に1回の定期検査が推奨されています。
他の性感染症と比べて梅毒は感染率が高く、一度の性交渉で約30%の確率で感染するといわれています。
特に、感染から1年未満の「早期梅毒」の時期は、感染力が非常に高く注意が必要です。
梅毒の性病検査は年に1回ペースで、定期的に受けましょう。
淋菌・クラミジア
淋菌やクラミジアの性病検査は年に1回、または性行為の状況によって数か月に1回の頻度が推奨されています。
クラミジアは無症状のことも多く、複数の性パートナーがいる場合は月に1回程度の頻度がおすすめです。
また、パートナーが感染していると診断された場合、自分に症状がなくても感染している確率が非常に高いためすぐに検査を受けましょう。
淋病は年1回の性病検査が推奨されていますが、感染リスクの高い方は3~6ヶ月に1回程度のペースが理想的です。
B/C型肝炎
B型肝炎とC型肝炎は、感染リスクが低い場合は一生に一度だけで十分といわれています。
B型・C型肝炎はどちらも自覚症状がないまま慢性化し、肝硬変や肝がんに進行するリスクがあるため注意が必要です。
一般的に、B型肝炎とC型肝炎は輸血や注射針の使い回しなど、血液によって感染すると認識されています。
しかし、B型肝炎は精液や膣分泌液などの体液を介しても感染するため、性行為によって感染する場合があります。
一方、C型肝炎は性的接触で感染する可能性もありますが、低いといわれています。
パートナーが感染している場合は、自身も感染している可能性が高いため、すぐに検査を受けましょう。
多くの自治体では特定の年齢の方を対象に、無料で肝炎ウイルス検査を実施しています。
B型・C型肝炎は一生のうちに一度は検査を受けておきましょう。
HPV
HPV(ヒトパピローマウイルス)は尖圭コンジローマや子宮頸がんの原因となるため、年1回程度の検査が推奨されています。
他の性感染症と異なり、HPVは性経験のある女性であれば、50%以上の人が一度は感染するといわれています。
HPVには多くの種類があり、以下の2つに分類されます。
- 高リスク型
- 低リスク型
万が一、HPVに感染したとしても無症状で自然に排除されますが、一部のタイプは子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因となるため注意が必要です。
尖圭コンジローマは低リスク型のHPVに感染することで発症し、自覚症状がないまま感染を広げてしまう場合が多くあります。
一方、子宮頸がんは高リスク型への感染が長期間持続すると、数年~数十年後に子宮頸がんに進行する可能性があります。
多くの自治体では、子宮頸がん検診の検診費用の一部、または全額を助成しているため、積極的に検査を受けましょう。
性病検査を受けるタイミング
性病検査を受けるべきタイミングは、パートナーが変わった際や、感染リスクの高い性行為をおこなった場合などさまざまです。
新しいパートナーと関係を持つ前に、お互いに性病検査を受けておくと安心して性交渉を行えます。
性行為があった後に性器周辺に痛みや違和感など、気になる症状が発生した場合は速やかに検査をおこないましょう。
- 性器周辺の痛み・かゆみ
- 性器周辺のしこり・ただれ・水ぶくれ・腫れ
- 性器から膿が出る
- おりものの量・色・においの変化
- 不正出血
- 排尿時の痛み・違和感
- 発熱
性行為を行う際にコンドームを使用しなかったり、破れてしまったりした場合は、感染リスクが非常に高まります。
また、オーラルセックスやキスなど、性器の挿入を伴わない行為でも感染する可能性があるため、少しでも不安を感じたら性病検査を受けるようにしましょう。
母親が性病に感染していると、胎盤や産道から胎児に感染する「垂直感染」が発生します。
妊娠が発覚した場合は、速やかに性病検査を受け早期発見・早期治療をおこなうことが重要です。
性病検査は自身の健康を守るだけでなく、パートナーや胎児への感染を防ぐためにも、適切なタイミングで検査を受けましょう。
ウインドウ期に注意
性病検査をおこなう場合は、ウインドウ期に注意が必要です。
ウインドウ期とは、性病に感染してから性病検査で正確な結果が出るまでの期間をさします。
万が一、ウインドウ期に検査を行うと、実際は感染しているのに陰性と判定されてしまう「偽陰性」となる可能性があります。
病気や検査方法によってウインドウ期の長さは異なるため、性病ごとの期間を把握することが重要です。
性病 | 検査可能時期 | 検査方法 |
---|---|---|
HIV | 感染機会から4週間以降 | 血液検査・PCR検査 |
梅毒 | 感染機会から4週間以降 | 尿検査・膣分泌物や尿道分泌物のPCR検査 |
淋菌・クラミジア | 感染機会の翌日から | 尿検査・膣分泌物や尿道分泌物のPCR検査 |
B型肝炎 | 感染機会から約2ヶ月間以降 | 血液検査 |
C型肝炎 | 感染機会から約3ヶ月間以降 | 血液検査 |
HPV(尖圭コンジローマ) | 感染機会から約1ヶ月間以降 | 視診・コルポスコピー・PCR検査 |
ウインドウ期を気にして検査を先延ばしにしてしまうと、複数の性病に感染している場合、発見が遅れてしまう可能性があります。
万が一、性病にかかった可能性がある場合は、速やかに医療機関を受診し、医師の指示に従って性病検査を受けましょう。
性病検査を受けることができる機関
性病検査を受けられる場所はいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。
自身の状況や目的に合わせて、最適な場所を選び、適切な検査を受けましょう。
保健所
保健所では以下の性病検査を無料、かつ匿名で受けられるため、費用を抑えたい方やプライバシーを重視する方におすすめです。
- HIV
- 梅毒
- B型肝炎
- C型肝炎
- 淋病
- クラミジア
保健所によっては淋病やクラミジアなど、一部の検査項目に対応していない場合があります。
また、保健所では検査日程が決められており、多くの場合は事前予約が必要です。
検査で陽性と判明した場合は、治療を受けるために別途、医療機関を受診しなければなりません。
検査費用を抑えたい方や、家族や周囲の人に知られたくない方は、保健所の無料検査を活用しましょう。
病院・クリニック
病院やクリニックでは、幅広い性病検査を受けられ、保険適用内であれば3割負担で受診可能です。
一般的に、男性は泌尿器科、女性は産婦人科で性病の検査ができます。
病院やクリニックでは、陽性と判明した場合もそのまま治療に移行できるメリットがあります。
特に、性感染症専門クリニックは性感染症に特化しており、多様な検査項目に対応しています。
しかし、自由診療のクリニックがほとんどのため、検査費用が全額自己負担となるため注意が必要です。
泌尿器科や産婦人科などの病院では、基本的に保険適用ですが、症状がない場合の定期的な性病検査は保険適用外となります。
病院やクリニックは自身の状況や希望に合わせて、最適な場所を選択しましょう。
まとめ
性病検査を受ける適切な頻度は、性交渉の状況によって大きく異なります。
感染リスクが低い場合は年に1回、リスクが高い場合は3ヶ月に1回など、自身の状況に合わせて定期的な検査を受けましょう。
また、新しいパートナーとの関係が始まる前や、コンドームが破れたときなど、特定のタイミングでの検査も重要です。
性病検査は保健所や病院・クリニックで受けられるため、自身のライフスタイルやプライバシーへの配慮に応じて、最適な検査場所を選びましょう。
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