「咽頭クラミジアは放置しても問題ない?」「ほっとくとどうなるの?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
無症状の場合も多い咽頭クラミジアは、放置すると全身症状や重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
この記事では、咽頭クラミジアをほっとくとどうなるかについてや、治療法などを解説します。
咽頭クラミジアの正しい知識を身に付け、自身の健康を守りましょう。
咽頭クラミジアとは?
「クラミジア」という性感染症の名前を、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
しかし、詳しい症状や感染経路などを正確に理解している方は多くありません。
ここでは、咽頭クラミジアの特徴や感染経路などを解説します。
クラミジアの基礎知識と感染経路
クラミジアは性感染症の中で、最も感染者数が多い病気の一つです。
「クラミジア・トラコマティス」という細菌に感染することで発症し、性器だけでなく咽頭にも感染します。
主な感染経路は性行為によるもので、感染者の精液や唾液などの分泌物を介して感染し、さまざまな症状を発症するため注意しなければなりません。
咽頭クラミジアはフェラチオやクンニなどオーラルセックスによって、クラミジアに感染した性器から咽頭に感染します。
また、キスでの感染リスクは低いとされていますが、口の中に傷や出血がある場合は感染する可能性が高まります。
咽頭クラミジアの症状と自覚しにくさ
咽頭クラミジアは感染しても、ほとんどが無症状であることが特徴です。
無症状のケースが8〜9割を占めるとも言われており、自覚がないまま他人に感染を広げてしまう可能性があります。
また、症状が軽い喉の痛みや違和感・発熱・腫れなど、風邪や扁桃炎とよく似ているため、性感染症だと気づかないことも少なくありません。
「ただの風邪だろう」と自己判断してしまうと、症状の悪化や合併症発症のリスクが高まるため、性交渉など性感染症にかかった疑いのある場合は、医療機関を受診しましょう。
咽頭クラミジアをほっとくとどうなる?
「症状がないなら放置しても平気」と、誤解している方も多いのではないでしょうか。
ここでは、咽頭クラミジアをほっとくとどうなるのか、重症化や二次感染のリスクを解説します。
自覚症状がないまま重症化するリスク
咽頭クラミジアは、無症状のまま数ヶ月から数年かけて慢性的な炎症を引き起こす場合があるため注意が必要です。
症状がないからといって治っているわけではなく、菌は体内に残り続け、少しずつ炎症を悪化させます。
また、菌が体内に残っていると、自分が知らないうちに他者へ感染させてしまう原因にもなります。
パートナーがいる場合、感染に気付かず移してしまい、結果的にお互いに感染し合う「ピンポン感染」に陥るリスクもあり危険です。
全身感染や合併症のリスク
咽頭クラミジアを放置すると、感染が喉から全身へと広がる可能性があるため注意しなければなりません。
原因菌が体内で増殖し、血液やリンパ液に乗って全身に広がってしまうリスクもあります。
稀に、関節炎を発症するケースもありますが、クラミジア・トラコマティスへの感染に対する免疫反応として、感染部位とは離れた関節に炎症が発生します。
また、女性の場合は咽頭から性器に再感染し、子宮頸管炎や卵管炎を引き起こし、不妊症の原因になることもあるため注意しましょう。
パートナーへの二次感染とトラブル
咽頭クラミジアは、キスやオーラルセックスによって感染が拡大する可能性があります。
パートナーに感染させてしまうと、関係悪化や信頼関係の崩壊といったトラブルに発展することも少なくありません。
また、妊娠中にクラミジアに感染すると、出産時に胎児へ感染させてしまう可能性もあります。
咽頭クラミジアに感染した可能性がある場合は、自身やパートナーを守るために、早期に検査・治療を受けましょう。
放置しても自然治癒する?治らない?
「咽頭クラミジアは自然治癒するの?」「病院に行かずに治す方法は?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、咽頭クラミジアの自然治癒の可能性や、市販薬の使用の危険性を解説します。
自然治癒をする?自己判断は危険
咽頭クラミジアの自然治癒については明確な根拠はありません。
そのため、一度感染をすると抗生物質による治療が不可欠となります。
風邪や他の病気の治療目的で抗生剤を服用した場合、症状が良くなったり、無くなったりする場合があります。
しかし、咽頭クラミジアは正しく抗生物質を服用しなければ完治しません。
咽頭クラミジアの治療中には「症状がなくなったから治った」と誤認する方も多くいますが、菌が体内に残ったままになっているケースも多発しています。
クラミジアの菌が残っていると症状の進行や、重篤な合併症のリスクが高まるため、完治を確認するために必ず再検査を受けましょう。
間違った市販薬やうがい薬では治らない
咽頭クラミジアは、市販の風邪薬やうがい薬では治療することはできません。
中には「抗菌作用のある薬なら効く」と思う方もいますが、抗菌薬であってもクラミジア菌を死滅させる効果は期待できないため注意が必要です。
咽頭クラミジアを完治させるには、必ず医療機関を受診し、医師の診断のもとで適切な抗生物質を処方してもらいましょう。
咽頭クラミジアの検査方法と費用
咽頭クラミジアに感染した場合、どのような検査を受けるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、咽頭クラミジアに感染した際の検査方法や、医療機関を受診した際にかかる費用を解説します。
病院での検査の流れと料金目安
咽頭クラミジアに感染した場合、主に性病専門クリニックや耳鼻咽頭科を受診します。
一般的に、医療機関での検査は咽頭ぬぐい検体を使用したPCR検査をおこないます。
綿棒で喉の奥を軽くぬぐうだけで、痛みはほとんどありません。
多くの病院では自由診療となるケースが多く、費用は全額自己負担となるため5,000円〜12,000円が相場です。
感染が疑われる行為から24時間以上経過していれば検査できるため、早期発見に努めましょう。
自宅でできる性病検査キットも便利
咽頭クラミジアの感染が疑われる方の中には「病院に行くのは抵抗がある」「忙しくて時間が取れない」と、お困りの方も多いでしょう。
自宅でできる性病検査キットは匿名で検査ができ、採取した検体を郵送するだけで検査結果を確認できるためおすすめです。
検査キットの費用は4,000円〜9,000円程度で、複数の項目をセットで検査できるキットを選ぶと割安になる場合があります。
性病検査キットは結果をWEBで確認でき、陽性だった場合のサポート体制も整っている場合もあるため安心して利用できます。
咽頭クラミジアの治療方法と完治までの流れ
咽頭クラミジアは早期発見と、適切な治療を受ければ完治可能です。
しかし、自己判断で治療を中断したり、再検査を怠ったりすると、再発や合併症のリスクが高まります。
咽頭クラミジアの正しい治療法と、完治までの流れを把握しておきましょう。
治療は抗生物質による内服または点滴
咽頭クラミジアの主な治療方法は、主に抗生物質による内服または点滴です。
医師の診断に基づき、クラリスロマイシンやアジスロマイシンなどのマクロライド系の抗生物質が処方されます。
特に、アジスロマイシンは1回の服用で治療が完了するケースが多く、飲み忘れを防ぎ、高い治療完遂率が期待できます。
ただし、重症化している場合は、数日間の点滴が必要になることもあるため注意が必要です。
治療後の再検査が重要
咽頭クラミジアは治療をおこなって症状が改善したからといって、自己判断で完治と決めつけるのは危険です。
ごく稀に、体内に菌が残っていたり、耐性菌に感染していたりする場合があります。
そのため、菌が完全にいなくなったか確認する「治癒確認検査」が必要です。
再検査は体内の菌の有無を正しく判別するために、治療後3週間〜4週間目におこないます。
性感染症はパートナー間で感染しあうケースが非常に多く、片方のみ治療をおこなっても再感染してしまいます。
咽頭クラミジアは必ず、パートナーと一緒に検査・治療をおこないましょう。
こんな人は要注意!咽頭クラミジアの感染リスクが高いケース
咽頭クラミジアは誰にでも感染する可能性がありますが、特にリスクが高いとされる人がいます。
ここでは、咽頭クラミジアの感染が疑われるケースを紹介するため、心当たりのある方は無症状であっても積極的に検査を検討しましょう。
オーラルセックスの頻度が高い人
咽頭クラミジアの最も主要な感染経路は、フェラチオやクンニなどのオーラルセックスです。
特に、コンドームを使用しないオーラルセックスは、性器の粘膜と喉の粘膜が直接接触するため、感染リスクが飛躍的に高まります。
コンドームは避妊だけでなく、性感染症予防のためにも非常に有効なため、オーラルセックスでも正しくコンドームを使用しましょう。
複数人との性交渉がある人
複数のパートナーと性交渉がある人も、咽頭クラミジアを含む性感染症全体のリスクが高まります。
クラミジアは無症状の感染者が多いため、相手が気づかないうちに感染している可能性も十分に考えられます。
不特定多数との性交渉は、感染機会を増やしてしまうため注意が必要です。
もし、複数のパートナーと性交渉がある場合は、定期的な性感染症の検査を受けましょう。
喉の違和感が長引いている人
軽い喉の痛みや腫れ・違和感などが長く続いている方は、咽頭クラミジアに感染している可能性があるため注意が必要です。
特に、市販薬や処方された風邪薬がなかなか効かなかったり、病院で喉の違和感が原因不明と診断されたりした場合は、咽頭クラミジアの可能性が高まります。
咽頭クラミジアは風邪とよく似た症状が出るため見過ごされがちですが、いつまでも長引く場合は、性感染症専門クリニックに相談してみましょう。
まとめ
咽頭クラミジアはほっとくとどうなるか気になる方も多いと思いますが、重篤な合併症やパートナーへの感染拡大のリスクが高まります。
- 咽頭クラミジアは性感染症の中で最も多く、無症状のケースが非常に多い
- 咽頭クラミジアをほっとくと、自然治癒することはないため検査と治療が必要
- 咽頭クラミジアの市販薬はなく、マクロライド系の抗生物質を服用する
- 咽頭クラミジアの検査方法は咽頭ぬぐい検体で、多くの場合自由診療となる
- 咽頭クラミジアは治療後に完治しているか確認するために再検査が必要
咽頭クラミジアは自然治癒する性病ではないため、医療機関での検査と適切な治療が必要です。
匿名での検査キットも販売されているため、感染が疑われる場合は早期に行動に移しましょう。
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