「淋病は喉に感染するとどうなるの?」「どんな症状が出るの?」と疑問をお持ちの方も、多いのではないでしょうか。
咽頭淋病は感染してもほとんどが無症状のため、気づかないうちにパートナーへ広げてしまうリスクが高い性感染症です。
この記事では、咽頭淋病の主な症状や検査方法、治療法などを解説します。
咽頭淋病は自然に治ることがないため、自身の健康と大切なパートナーを守るために、正しい知識を身に付けましょう。
咽頭淋病とは?
咽頭淋病は性感染症の一種であり、淋菌が喉や扁桃腺に感染することで発症する疾患です。
性感染症の中でも比較的感染力が強いとされており、日本国内での感染者は増加傾向にあります。
咽頭淋病の主な感染経路は、オーラルセックス(口腔性交)です。
性器淋病の感染者とのオーラルセックスによって喉に感染しますが、反対に咽頭淋病に感染している人から、性器淋病に感染するケースも少なくありません。
日本ではオーラルセックスをおこなう際に、コンドームを着用する習慣がない方が多く、感染が拡大する原因となっています。
咽頭淋病の症状は発症しても非常に軽微で、風邪との区別がつきにくい点が特徴です。
- 軽いのどの痛み
- 軽い咳
- 微熱
- 喉のイガイガ感
- 喉の乾燥
- 軽度な扁桃腺の腫れ・赤み
咽頭淋病は自覚症状が乏しく、感染に気づかないまま他者へ広めてしまうケースが非常に多くあります。
また、咽頭淋病の潜伏期間は一般的に2〜7日程度と言われており、一度の感染機会によって感染する確率は30〜50%と比較的高いため注意が必要です。
淋菌は乾燥や熱に弱いため、タオルや便座などを介して、日常生活の中で感染する可能性はほとんどありません。
しかし、咽頭淋病感染者とのディープキスでは、感染する可能性があるため注意しましょう。
咽頭淋病を放置した際のリスク
「自覚症状がないなら放置してもいいの?」「治療をおこなわないとどうなるの?」と、疑問をお持ちの方も多いでしょう。
咽頭淋病は放置していても治癒することがないため、医療機関での適切な治療が不可欠です。
治療をおこなわずに放置してしまうと、パートナーへの感染拡大や重症化のリスクも高まります。
ここでは、咽頭淋病を放置した際のさまざまなリスクについて解説します。
無症状が多いため感染が拡大しやすい
咽頭淋病は、感染しても大多数の人が無症状といわれており、気付かぬまま感染を拡大させている可能性があります。
多くの性感染症は性器や喉に腫れやかゆみ、できものなど何かしらの症状が出てきます。
しかし、咽頭淋病は別名「沈黙の感染症」ともいわれ、自覚症状がない場合が多く、検査をしなければ感染に気付けません。
そのため、無自覚のままパートナーや他者に移してしまっているケースも多く、感染が増加傾向にある原因です。
咽頭淋病は自然に治ることはないため、感染の心当たりがある場合は速やかに医療機関にて検査・治療を受けましょう。
咽頭炎や扁桃炎のリスクも
咽頭淋病をそのままにすると、単なる喉の違和感だけでなく、慢性的な咽頭炎や扁桃炎を引き起こすリスクが高まります。
通常の風邪と異なり、咽頭淋病は抗生物質による専門的な治療をしなければ、喉に感染した淋菌が粘膜を刺激し続け、炎症を進行させてしまいます。
症状が悪化して咽頭炎や扁桃炎などを引き起こし、喉の違和感や痛みが続いたり、嚥下痛が発生したり、日常生活に支障をきたす可能性があるため注意が必要です。
咽頭淋病は自覚症状の乏しい性病ですが、感染に気付かないまま放置すると、咽頭炎や扁桃炎のリスクもあるため、定期的に性病検査を受けましょう。
咽頭淋病の検査方法
無症状のケースが多い咽頭淋病は、感染の機会があった場合、自分から進んで検査を受けることがとても重要です。
一般的に、検査方法としては、核酸増幅法がおこなわれます。
核酸増幅法は結果が出るまでに数日かかることが多いですが、最も確実で感度が高い検査方法とされています。
医療機関によっては即日検査をおこなっている場合もあるため、検査方法や結果が出るまでの日数が知りたい場合は事前に確認してみましょう。
また「病院に行きたくない」「匿名で受けたい」という方は、市販の検査キットもおすすめです。
咽頭淋病は自覚症状が乏しい性感染症ですが、感染の可能性がある場合は速やかに検査を受けましょう。
診療先は?
咽頭淋病の感染が疑われる場合、検査や治療は以下の診療科でおこなえます。
- 性感染症科
- 泌尿器科(男性)
- 産婦人科(女性)
- 性病専門クリニック
特に、性病専門クリニックや性感染症専門外来では、咽頭淋病のような性病に詳しい専門の医師がいるため、検査の精度が高く、プライバシーに最大限配慮した対応を受けられるメリットがあります。
また、咽頭淋病の検査と同時に、性器や直腸の淋病や、他の性感染症の検査もまとめて受けられる体制が整っているクリニックを選びましょう。
淋病は喉に感染している場合、性器や直腸に感染している可能性が非常に高い性感染症です。
また、性感染症は複数同時に感染している場合も多く、性病専門クリニックでは一度の受診で幅広いリスクをチェックでき、時間や費用を節約することにも繋がります。
性感染症にかかると「恥ずかしい」「周囲にバレたくない」と、受診をためらいがちです。
しかし、重症化や感染拡大を防ぐためにも、早期発見・早期治療につとめましょう。
検査の費用相場
咽頭淋病の検査費用は、医療機関や検査方法、検査の部位によって異なります。
特に、自由診療の場合は、医療機関が価格を自由に設定できるため、クリニックによって費用に大きな差があります。
泌尿器科や産婦人科では保険診療となり、3割負担となるため2,000円~3,000円が相場です。
一方、性病専門クリニックでは多くの場合、自由診療となるため7,000円~9,000円ほどかかる場合があります。
咽頭淋病の検査は喉だけの検査や、性器や直腸も合わせておこなう場合など、医療機関によって異なります。
検査費用を事前に知りたい場合は、受診予定のクリニックに確認してみましょう。
咽頭淋病の検査の流れ
「咽頭淋病の検査はどうやってやるの?」「痛みはある?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
まずは、喉の痛みや違和感などの症状や、感染の機会・過去の性病歴などを問診表に記入します。
問診表を基に医師による症状の確認や、検査の要否を判断します。
咽頭淋病の検査が必要になった場合は、生理食塩水や水などの液体でうがいをおこない、うがい液を検体として使用します。
医療機関によっては、綿棒で喉の奥をぬぐって検体を採取する場合もあります。
検査をおこなう場合は菌の濃度を保ち、検査精度を上げるために、検査の1時間~2時間前は食事やうがい・歯磨き・ガムなどは避けましょう。
万が一、咽頭淋病の検査結果が陽性だった場合、点滴や飲み薬の投与などの治療をおこないます。
咽頭淋病は市販薬がなく、医療機関での治療が必要になる感染症です。
そのため、感染の疑いがある場合は、必ず医療機関で検査・治療を受けましょう。
再検査のタイミング
咽頭淋病は治療が完了した後、淋菌が完全にいなくなったことを確認するための再検査が必要ですが、タイミングが非常に重要です。
淋病の検査に用いられる高感度な核酸増幅法は、菌が死んだ後も死骸に対して陽性反応が出てしまう可能性があります。
治療直後や治療後間もない時期は、治癒していても死菌が原因で陽性と判定されてしまう「偽陽性」のリスクが高まるため注意が必要です。
再検査の最適なタイミングは治療完了後、約2週間〜3週間程度経過してからが推奨されています。
また、淋菌はさまざまな抗生物質に対する「薬剤耐性」を獲得する傾向があり、近年は治療が困難なケースが増えています。
そのため、医師の指示通りに治療をおこなった後でも、確実に菌が排除されたかどうかを再検査で確認することが極めて重要です。
咽頭淋病は再検査によって、使用した薬が効かない耐性菌であった場合の早期発見と、次の治療への移行が可能になります。
確実に治癒したことを確認し、病原菌を体から排除するためにも、自己判断で治療を中断したり、再検査を省略したりせず、医師の指示に従い、適切なタイミングで再検査を受けましょう。
咽頭淋病を予防・再発防止するために
咽頭淋病は適切な治療を受ければ完治できますが、何度でも再感染してしまうリスクがあります。
予防と再発防止のためには、性的な行為におけるリスクを正しく知り、適切な知識に基づいて行動することが重要です。
ここでは、咽頭淋病の予防や再発防止のための注意点を解説するため、自身やパートナーの健康を守るために把握しておきましょう。
コンドームを使用しても完全に防ぐことはできない
咽頭淋病の予防において、コンドームの使用はとても有効な手段の一つではありますが、コンドームを使用しても完全に感染を防ぐことはできません。
コンドームは性器を覆うことはできますが、オーラルセックスの際に感染源となる可能性がある口の周りや、性器の周りを全てカバーすることは不可能です。
そのため、咽頭淋病のリスクをできるだけ下げるためには、コンドームの使用に加え、以下の点に注意しましょう。
- コンドームの正しい使用
- 不特定多数との性的な接触を避ける
- リスクのある行為を控える
- オーラルセックスの前後にうがいをする
咽頭淋病を予防するためには、コンドームや他の感染対策も合わせておこないましょう。
ピンポン感染を避ける
咽頭淋病の治療後の再発防止において「ピンポン感染」を避けることは非常に重要なポイントです。
ピンポン感染とは、どちらか一方のパートナーが治療で治っても、もう一方のパートナーが感染したままだった場合、性的な接触を通じてお互いに感染を繰り返してしまう状態を指します。
そのため、ピンポン感染を防ぐためには、咽頭淋病と診断された場合、症状が出ているかどうかにかかわらず、全ての性的なパートナーが同時に検査を受け、必要であれば治療を受けることが不可欠です。
パートナーが治療を受けている期間や、治療後の再検査で陰性が確認されるまでは、オーラルセックスを含む性的な接触を控えなければなりません。
咽頭淋病の検査で陽性と診断された場合は、パートナーと情報を共有し、一緒に治療を受けピンポン感染による再感染を防ぎましょう。
まとめ
咽頭淋病は感染力が非常に強く、近年国内で増加傾向にある性感染症です。
感染していても症状が風邪に似た軽微なもの、または無症状の場合が多く、感染に気付かないままパートナーに移ってしまっている可能性があります。
咽頭淋病は放置しても自然治癒することはなく、慢性的な咽頭炎や扁桃炎にまで悪化する可能性もあるため注意が必要です。
万が一、感染の可能性がある場合は、自身の健康とパートナーへの感染を防ぐために、早期発見・早期治療に努めましょう。
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