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クラミジアの感染経路に心当たりがない!考えられる原因と対処法

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クラミジアは、日本でもっとも報告数の多い性感染症ですが、自覚症状が少ないために感染に気づかない人が多く、「感染経路に全く心当たりがないのに陽性になった」と戸惑う人も少なくありません。

しかし、クラミジアを放置してしまうと、精巣上体炎や不妊症などの重篤な合併症リスクがあるため、早期の検査と治療が重要になります。

この記事では、クラミジアの基礎知識から、「クラミジアの感染経路に心当たりがない」と感じる理由、検査・治療・予防のポイントまで詳しく解説します。

目次

クラミジアの基本知識

クラミジアは、日本でもっとも感染者の報告数が多い性感染症です。

自覚症状が少ないために感染に気づかない人が多く、放置すると不妊症などの重篤な合併症リスクがあるため、早期の検査と治療が重要になります。

ここでは、クラミジアの基礎知識について詳しく解説します。

クラミジアとは?

クラミジアとは、細菌のひとつであるクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)によって引き起こされる性感染症です。

男女ともに感染者が多く、“自覚症状の少ない性病”ともいわれており、感染していても気づかないまま生活しているケースも珍しくありません。

クラミジアは粘膜に感染する性質があり、性器や咽頭(のど)、肛門(直腸)などに感染して、それぞれの部位で炎症を起こします。

クラミジアの主な症状と合併症リスク

男性のクラミジアの症状は、以下の通りです。

  • 尿道の違和感(軽いかゆみや不快感、チクチクとした痛みなど)
  • 排尿時の軽い痛みや違和感
  • 透明〜白っぽい分泌物

ただし、実際には「少し違和感あるかな?」程度で終わってしまう男性も多く、放置すると以下のような重篤な合併症のリスクもあるので、注意が必要です。

  • 精巣上体炎(副睾丸炎):睾丸の強い腫れ・痛み・発熱
  • 精管炎
  • 不妊症

女性の場合、感染者の約70%~80%が無症状だと言われており、症状が出る場合はおりものの増加・変化や下腹部痛、不正出血などの症状があります。

放置してしまうと、骨盤内炎症性疾患(PID)に進行することがあり、子宮外妊娠や不妊の原因となるリスクがあります。

潜伏期間と自然治癒しにくいと言われる理由

クラミジアの潜伏期間は、1〜3週間程度とされています。

しかし、症状が非常に軽かったり無症状であったりするため、感染してから数年〜10年単位で気づかず、別の病気の検査やパートナーの検査をきっかけに判明する例もあります。

クラミジアが自然治癒しにくいと言われる理由は、クラミジアが細菌感染症だからです。

細菌感染症の場合、人間の免疫力だけで菌を完全に排除することは難しいため、完治には抗生物質による治療が必須となります。

症状がないからといって放置すると、炎症が体内で静かに進行し、不妊症などの重篤な合併症リスクを高めてしまうため、十分注意しましょう。

クラミジアの主な感染経路は?性行為以外だとどこまであり得る?

クラミジアは、粘膜同士が接触したときに感染する細菌性の性感染症です。

一般的には「性行為でうつる」というイメージが強いですが、性行為の種類や接触の仕方によって感染リスクは大きく変わります。

一番多いのは性器・オーラル・アナルなど性行為による感染

クラミジアの感染で最も多いのは、性行為中の粘膜同士の直接的な接触です。

特に感染リスクが高い行為は以下の通りです。

  • 膣性交(性器同士の接触)
  • オーラルセックス(口腔→性器、性器→口腔)
  • アナルセックス(性器→肛門、肛門→性器)

クラミジアは粘膜に存在して増殖するため、粘膜同士が触れれば挿入の有無に関わらず感染の可能性があります。

キスや愛撫・挿入しなくてもうつる可能性は?

「挿入(性交)していないから安全」と考える人は多いですが、挿入を伴わない行為でも粘膜同士が接触すれば感染のリスクは生じます。

  • のどクラミジア(咽頭クラミジア)
    オーラルセックスによって、性器→口腔、口腔→性器へと感染が起こることがあります。
    咽頭クラミジアは 無症状のことが多いため感染源として見落とされがちです。
  • 手指・性玩具(アダルトグッズ)を介した粘膜接触
    感染者の分泌物が付着した手指や玩具がすぐに別の人の性器粘膜に触れた場合、理論上感染の可能性があります。
    ただし、クラミジアは体外での生存力が低いため、現実的なリスクは高くありません。
  • ディープキス
    クラミジアは唾液に安定して存在しにくいため、ディープキスによる感染は極めて稀と考えられています。

挿入していなくても、「粘膜同士が直接触れたかどうか」がクラミジア感染のポイントになります。

性行為以外の感染経路はどこまで現実的?

クラミジアは熱や乾燥に弱い性質を持っており、体外での生存時間も短いため、以下のような日常生活で感染する可能性は非常に低いとされます。

  • タオル・下着の共用
  • 便座
  • 浴槽(温泉・プール)

感染者の分泌物が大量に付着してすぐ粘膜に触れるといった特殊な条件を除き、これらが感染源になることはほとんどないでしょう。

出産時の産道感染・目への感染など特殊なケース

性行為以外にも、ごく稀ではありますが以下のような特殊な感染経路が知られています。

  • 出産時の産道感染
    妊娠中の女性がクラミジアに感染している場合、出産時に新生児が産道を通る際に感染することがあります。これにより「新生児クラミジア結膜炎」や「新生児クラミジア肺炎」などが起こる可能性があります。
  • 目への感染
    感染者が自身の性器から出た分泌物に触れた手で目をこすってしまうことで、クラミジア性結膜炎を起こすことがあります。

それでも感染経路に心当たりがない場合のよくある5つのパターン

クラミジアは無症状のまま気づかない期間が長く、検査で初めて発覚するケースも多い病気です。

そのため、「心当たりがないのに陽性診断された…」ということも珍しくありません。

ここでは、感染経路に心当たりがない場合のよくある5つのパターンを紹介します。

過去のパートナーからの感染が今になってわかったケース

クラミジアの潜伏期間は1〜3週間程度とされますが、症状が全くない、または軽微で気づかない状態が続くと、感染が判明するまでに数ヶ月、あるいは数年かかることも珍しくありません。

そのため、「過去のパートナーからの感染が、今になって検査で判明する」ということが実際に起こり得ます。

感染しても症状が軽く違和感だけで気づかない、健康診断や別の検査でたまたま見つかる、といった状態でようやく陽性と判明することがあることを覚えておきましょう。

自分も無症状で感染していて、お互い気づかなかったケース

クラミジアは、女性の約70〜80%、男性の約50%が無症状であるため、パートナーのどちらもが無症状のまま、感染に気づかず生活しているケースも多く見られます。

この場合、初めて症状が出たり、どちらかが検査を受けたりしたときに初めて感染が判明しますが、「誰が先に感染したか」「どちらが元々菌を持っていたか」を医学的に特定することはほぼ不可能です。

オーラルセックスや性行為と自覚していない行為からの感染

本人が「性行為ではない」「浮気ではない」「軽いスキンシップ」と認識している行為が、実は粘膜接触を含んでいたケースもあります。

感染経路について考えるとき、「挿入を伴う性行為」のみをイメージし、それ以外の行為を「性行為」として認識していないために、心当たりがないと感じるパターンです。

特に、オーラルセックスや、愛撫(手・指)で分泌物が粘膜についた場合に感染する可能性があります。

オーラルセックスは特に自覚されない感染経路の代表例で、このような行為が感染経路になり得るということを覚えておきましょう。

のど・性器どちらか一方だけが検査されていたケース

クラミジアは、性器だけでなく咽頭(のど)にも感染します。

クラミジアの検査は「性器」と「咽頭(のど)」が別部位扱いで、片方が陰性でももう片方は陽性というケースもあるため、注意が必要です。

  • 尿検査(性器)だけ受けて陰性 → のどが陽性だった
  • のどのPCRだけ受けて陰性 → 性器は陽性だった

このように、感染部位を網羅した適切な検査が行われていない場合、感染が見落とされ、後に陽性が判明して混乱してしまうことがあります。

検査のタイミングや方法による結果のズレ

感染が判明した際に、「最近の検査では陰性だったはず」と感じる場合は、検査自体の問題が原因かもしれません。

  • 潜伏期間中の検査(偽陰性)
    感染直後(潜伏期間中)に検査を受けた場合、菌の量がまだ少なく、検査で検出できないことがあります。
  • 検査方法の違い
    クラミジアの検査には、現在の感染を調べるPCR検査(菌の遺伝子を検出)と、過去の感染歴を調べる抗体検査があります。
    過去に抗体検査で陽性となった人が、「現在の感染」と勘違いし、心当たりがないと感じるケースがあります。

浮気以外に考えられるクラミジア感染の原因とは?

クラミジア感染が判明した際、パートナーの浮気を疑ってしまう方は多いかもしれません。

しかし、クラミジアは無症状の期間が非常に長いという特殊な病気であるため、感染経路をたどっても「浮気」とは断定できないケースがほとんどです。

ここでは、浮気以外に考えられるクラミジア感染の代表的な原因を解説します。

パートナーの過去の性行為での感染が残っていた可能性

クラミジアは男性の約50%、女性の約70〜80%が無症状であるため、感染に気づかないまま何年も体内に菌を保有していることが珍しくありません。

交際前の過去の性行為で感染し、無症状のまま体内に菌を保有し続け、検査を受ける機会もないまま、最近になって健康診断やブライダルチェックなどで陽性が判明するという状況は十分に起こり得ます。

これは現在のパートナーが浮気をしていたことを意味するものではなく、クラミジアは無症状で長期間気づかれにくいという特性によるものだと理解しましょう。

自分も知らないうちにクラミジアを持っていた可能性

反対に、あなた自身が以前の交際相手からクラミジアに感染し、無症状のまま保菌していた可能性も考えられます。

昔のパートナーから感染したものの症状がなかったため気づかず、その菌を現在のパートナーに感染させてしまい、パートナーの検査をきっかけにあなた自身の陽性が初めて判明するというケースです。

このように、あなたが「うつした側」であった可能性もあり、昔の感染が今回の検査ではじめて表面化しただけということも少なくありません。

誰がうつした側かは医学的に特定できない理由

クラミジアの検査で判明するのは、「現在、クラミジアに感染しているかどうか」という事実のみであり、感染源や感染時期、どちらが先かなどは医学的に特定することはできません。

その理由は次のとおりです。

  • 潜伏期間に個人差がある
  • 無症状のまま長期間感染しているケースが多い
  • 治療後でも、一方だけ治っていないと“再感染(ピンポン感染)”が起こる
  • 複数の部位(のど・性器)で感染し、検査した部位によってタイミングが変わることもある

したがって、クラミジアの陽性結果は「浮気の証拠」にはなりません。

不信感を募らせる前に、お互いの健康を守るために協力して治療を進めることが重要です。

陽性と言われたときにやるべきこと|検査・治療・パートナー対応

クラミジアの検査で陽性と判明した場合、不安やショックを感じる人は多いですが、クラミジアは適切な治療で完治する病気です。

しかし、放置すると重篤な合併症リスクや、パートナー間で感染を繰り返すリスクがあるため、冷静かつ迅速に対応する必要があります。

医師の指示どおりに治療を受ける

クラミジアは細菌感染症であるため、必ず抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。

自己判断で市販薬を使用したり、放置したりせず、必ず医師の指示に従いましょう。

治療の基本ポイントは以下の通りです。

主な治療薬アジスロマイシン(マクロライド系、1回服用)が第一選択とされます。
ドキシサイクリン(テトラサイクリン系、7日間服用)は症状や事情に応じて使用されます。
服薬の遵守症状が消えたとしても、必ず処方された期間、最後まで薬を飲み切ることが重要です。
途中でやめると、菌が残り再発やパートナーへの感染の原因となります。
注意事項治療中および治癒確認が取れるまでの間は、性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)は控えましょう。

再検査のタイミングと陰性確認の重要性

クラミジアは治療後に再検査を行い、陰性が確認できて初めて「治った」と判断できます。

これを TOC(test of cure:治癒確認検査)と呼びます。

再検査の目安は治療後 2〜4週間程度(薬の種類や症状によって医師の指示に従う)です。

また、性器は陰性でも、のどに菌が残る場合があるため、のど(咽頭)と性器の両方を検査することが大切です。

陰性確認を怠ると、菌が残ったまま性行為を再開し、治癒したパートナーに再度うつしてしまう「ピンポン感染」の原因となるため、注意が必要です。

パートナーへの伝え方と、一緒に受診するメリット

クラミジア感染が判明したら、必ずパートナーにも状況を伝え、一緒に検査と治療を行う必要があります。

伝える際のポイント
  • 事実だけを伝える(感情的に責めない)
  • 「誰が原因かは医学的に分からない」ことを共有する
  • 今後のためにも一緒に治療を進めることが大切と説明する

同時期に検査・治療を行うことで、ピンポン感染を防ぎ、お互いが完全に治癒することができます。

また、女性側の重篤な合併症(不妊症など)の予防にもつながります。

医師の説明を一緒に聞いたり、信頼できる資料を見せたりして、冷静かつ正確な情報共有を心がけましょう。

クラミジアを繰り返さないためにできる予防対策

クラミジアは適切に治療すれば完治しますが、再感染のリスクは少なくありません。

再感染を防ぐためには、日常生活や性行為での予防策を意識することが大切です。

コンドームの正しい使い方と挿入以外の場面でも意識すること

クラミジア感染の予防には、コンドームの使用がもっとも有効です。

性交時には必ずコンドームを使い、挿入時だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも使用しましょう。

また、コンドームは先端に空気を入れずにしっかり装着し、使用中にずれないように注意するなど、正しい装着方法を守りましょう。

コンドームは途中で外したり、再使用は絶対に避けてください。

挿入以外の行為でも、粘膜同士の接触がある場合は感染リスクがあるため、手指や性玩具を介した接触にも注意しましょう。

のどクラミジアを防ぐための注意点(オーラルセックスなど)

オーラルセックスは、のど(咽頭)へのクラミジア感染の主な原因となります。

のどクラミジアは無症状のことが多いため、見過ごされやすく、性器への再感染源となるリスクがあります。

オーラルセックス時にもコンドームを使用し、キスや口腔と性器の接触後は手洗いやうがいを心がけてください。

また、のどのクラミジアは症状が出にくいため、定期検査を行なってチェックをしましょう。

のどクラミジアを防ぐためにも、これらの注意点はしっかり意識してください。

定期検査・ブライダルチェック・カップル検査のススメ

再感染を防ぐためには、自分とパートナー双方の感染状況を把握することが重要です。

  • 定期検査を受ける(半年〜1年に1回が目安)
  • 結婚前・妊娠前のブライダルチェックも有効
  • パートナー同士で一緒に検査・治療を受けるとピンポン感染を防げる

定期的なチェックで早期発見・早期治療が可能になり、無症状のまま感染を広げてしまうリスクを大幅に減らせます。

心当たりがないクラミジア感染に関するよくある質問(FAQ)

心当たりがないクラミジア感染に関するよくある質問にお答えします。

温泉・プール・サウナ・共有タオルでクラミジアがうつる可能性はありますか?

温泉・プール・サウナ・共有タオルでクラミジアがうつる可能性は極めて低いです。

クラミジア菌は熱や乾燥に弱く、体外に出ると感染力がほとんど失われます。

理論上は感染の可能性はゼロではありませんが、日常生活の接触で感染する心配はほとんどありません。

完治後にまた感染しないために、どんなことに気をつければいいですか?

完治後にまた感染しないためには、予防対策の継続と定期的な検査が重要です。

再感染を防ぐためには、次のポイントを意識しましょう。

  • コンドームの使用を徹底する
  • ピンポン感染の防止
  • 定期的な検査(半年〜1年に1回程度が目安)

パートナーがいる場合には、パートナーと同時に治療を完了し、再検査で陰性化を確認するまで性行為を控えてください。

まとめ

今回の記事のポイントは、以下の通りです。

この記事のまとめ
  • クラミジアは男女ともに無症状のケースが多く、気づかないまま感染が長期化しやすい
  • クラミジアは細菌感染症であり、必ず抗生物質による治療が必要
  • クラミジアの特性上、誰がいつうつしたかを医学的に特定することは不可能
  • 最優先事項は治療と再検査
  • 再感染リスクを防ぐにはコンドームの「正しい使い方」が重要

クラミジアは男女ともに無症状のことが多く、気づかないまま長期間感染が続きやすい性感染症です。

クラミジアは細菌感染症のため、必ず抗生物質による治療が必要で、自然治癒は期待できません。

また、病気の特性上、誰がいつうつしたかを医学的に特定することはできないため、感染源探しではなく、治療と再検査(TOC)を徹底することが重要です。

パートナーがいる場合には、パートナーと同時に再検査(TOC)を行い、今後の再発を防ぐための予防策を徹底しましょう。

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