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梅毒でキノコが生えるはデマ?本当の症状や検査・治療の正しい知識

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「梅毒に感染するとキノコのようなものが生える」という噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

インターネット上などで広がるこの情報は、性病に対する誤解に基づいたデマであり、正確な梅毒の症状ではありません。

この記事では、梅毒に関するキノコのデマの真相や、実際の症状や検査・治療方法を解説します。

梅毒に関する不安や誤解を解消し、自身の健康を守るための正しい知識を身に付けましょう。

目次

梅毒でキノコが生えるはデマ!【結論】

インターネット上などでは「梅毒に感染すると性器にキノコが生える」という噂がありますがデマです。

しかし、梅毒が進行すると実際に性器周辺などに特徴的なできものが現れる場合があり、病変部分が「キノコ」と誤って表現され、デマとして広まった可能性があります。

梅毒に感染してキノコが生えることはないため、正しい知識を持つことが重要です。

梅毒は梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌の感染によって発症

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌に感染することで発症する性感染症です。

主な感染経路は感染者との性的な接触であり、粘膜や皮膚の小さな傷から体内に侵入し、全身の臓器や組織に広がっていきます。

一方、キノコは真菌に分類されており、細菌とは全くの別物です。

そのため、細菌が原因となっている梅毒に感染しても、キノコが生えてくることはありません。

梅毒の症状を発症時期ごとに解説

梅毒は、感染してから発症に至るまでの期間や、体内で菌が活発になる時期によって、現れる症状が大きく異なります。

病気の進行は主に以下の段階に分けられており、それぞれの時期で特徴的な皮膚症状や全身症状が現れます。

  • 一次期
  • 二次期
  • 潜伏期
  • 晩期

特に、感染初期の症状は自覚しにくかったり、自然に消えたりすることがあるため、正確な時期ごとの症状を理解しておくことが早期発見と早期治療のために非常に重要です。

一次(感染後3〜6週)

一次梅毒は感染後、およそ3週間から6週間が経過した時期にあたり、主に感染した部分に症状が出現します。

主な症状は性器・口唇・肛門などの感染部位に「初期硬結」と呼ばれる硬いしこりが現れます。

通常、初期硬結は痛みがほとんどなく、数週間で自然に消えるため、見過ごされやすいのが特徴です。

その後、初期硬結は中心が潰瘍化して「硬性下疳」になる場合がありますが、こちらも痛みがありません。

一次梅毒の症状は軽く、自然に消えてしまうため放置してしまう方も多くいます。

しかし、梅毒トレポネーマはリンパ節を通じて全身へ広がり、自然治癒することはないため、感染が疑われる場合は早期に検査を受けましょう。

二次(数週〜数ヶ月)

二次梅毒は一次梅毒の症状が自然に消えた後、数週間~数か月後を指します。

梅毒トレポネーマはすでに全身に広がっており、全身に様々な皮膚症状や粘膜症状が出現します。

特に、無痛性の赤い発疹が手のひらや、足の裏などに発生する「バラ疹」と呼ばれる症状が特徴です。

また、扁平コンジローマと呼ばれる性器周辺に平らな丘疹が現れる場合もあります。

扁平コンジローマの隆起した病変が「キノコ」と誤解される原因の一つとも推測されます。

二次梅毒は特徴的な症状が発生するため、梅毒の感染に気付きやすい時期です。

手足の発疹や性器周辺の丘疹など、梅毒の感染が疑われる症状が見られた場合は早急に医療機関を受診しましょう。

潜伏〜晩期

潜伏期はバラ疹などの症状が消失後の、無症状の期間を指します。

無症状の期間も病原菌は体内に残り続けており、数年から数十年の経過を経て、さらに重篤な晩期梅毒へと進行する場合があります。

晩期梅毒では長期間にわたって体内に残存した梅毒トレポネーマが、内臓や中枢神経を徐々に破壊しています。

そのため、心臓や血管・脳・神経など、全身の重要な臓器に重篤な障害が発生し、死に至る場合もあるため注意が必要です。

現在では、早期の治療が可能となったため、重篤な晩期梅毒は減少しています。

しかし、梅毒は症状が自然に消えるため感染に気付かず、放置してしまう方も多いので注意しましょう。

よく混同されがちなキノコっぽい症状の正体

「梅毒でキノコが生える」というデマの背景には、実際に梅毒の症状の一つや、梅毒とは別の性感染症の症状が誤認された可能性があります。

特に、性器や肛門周辺にできる隆起性の病変は、梅毒と無関係の病気であっても見た目が似ていることから混同されがちです。

ここでは、梅毒と誤解されやすいキノコを連想させる症状の、代表的な正体について解説します。

尖圭コンジローマ

性感染症の症状でキノコに見える場合もあるものとして「尖圭コンジローマ」があげられます。

尖圭コンジローマは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」への感染によって引き起こされる性感染症で、梅毒とは原因も治療法も全く異なる病気です。

特に、症状に大きな特徴があり、性器や肛門の周辺に鶏のトサカやカリフラワー、あるいはキノコの傘のような形状のイボができます。

病変の形状が非常に特徴的であるため、性病に関するデマの中で「キノコ」と表現されたりするかもしれません。

尖圭コンジローマは梅毒とは別の性感染症であり、感染が疑われる場合は自己判断せずに正しい検査と治療を受けましょう。

梅毒の検査と治療方法

梅毒は進行すると重篤な症状を引き起こす恐ろしい病気ですが、早期に検査を受け、正しい治療をおこなえば完治が可能な病気でもあります。

特に、症状が自然に消えてしまうことが多いため、性的な不安を感じる機会があった場合は、必ず適切なタイミングで検査を受けることが重要です。

ここでは、梅毒の検査を受けるべきタイミングや、具体的な検査の種類・治療方法について解説します。

受診のタイミング

性感染症は検査時期によって正確な結果が出ない可能性があるため、適切なタイミングで受けることが極めて重要です。

血液検査では病原菌に対する抗体の有無によって感染を確認しますが、梅毒トレポネーマに対する抗体が体内で作られるまでに、一定の潜伏期間が必要です。

感染直後の検査では正確な判定が出ない可能性があるため、梅毒は感染した可能性のある性的な接触から、およそ4週間以上経過したタイミングで検査を受けることが推奨されています。

しかし、硬いしこりや手のひらなどにかゆみを伴わない発疹など、梅毒を疑う症状が現れた場合は、期間に関わらず速やかに医療機関を受診しましょう。

検査の種類

梅毒の検査は、主に血液を用いた2種類の抗体検査を組み合わせておこなわれます。

  • RPR検査
  • TPHA検査

RPR検査とTPHA検査はどちらも血液検査ですが、測定している抗体と検査の目的が根本的に異なります。

TPHA法は、梅毒の原因菌である「梅毒トレポネーマ」そのものに反応する抗体を測定します。

梅毒感染の有無の判定に使われ、一度陽性になると、治療をして梅毒が治った後も生涯にわたって陽性のまま残ることがほとんどです。

一方、RPR法は梅毒トレポネーマの活動性を調べ、病変の進行度が分かります。

RPR(+)TPHA(+)梅毒に感染している
RPR(-)TPHA(-)梅毒に感染していない
RPR(+)TPHA(-)初期の感染の可能性や生物学的偽陽性
RPR(-)TPHA(+)梅毒の治癒後やTPHA法の偽陽性

梅毒は2つの検査結果を総合的に判断することで、現在の梅毒感染の有無と病期を正確に診断します。

主な治療方法

梅毒はペニシリン系の抗生物質が第一選択薬として使用され、内服や注射が主な治療方法です。

ペニシリンは梅毒トレポネーマに対して強い殺菌作用を持つため、体内の菌を効果的に排除できます。

病期が一次梅毒や二次梅毒など早期であれば、通常は注射または内服薬による治療で完治が可能です。

2週間の内服薬と1回の筋肉注射はほぼ同等の効果が期待できますが、飲み忘れのリスクを軽減させられるため注射治療が注目されています。

しかし、晩期梅毒へと進行している場合は、長期の入院治療が必要になる場合があります。

医療機関や病気の進行具合によって治療方法は異なるため、完治するまで医師の指示に従い、治療をおこないましょう。

梅毒の予防方法と注意点

梅毒は適切な治療により治癒できる病気ですが、何よりも感染を未然に防ぐことが最も重要です。

性感染症である梅毒の予防には、安全な性行為を心がけることや、感染リスクのある行為を避けることが基本的な対策となります。

ここでは、梅毒感染予防法や注意点について解説します。

性感染症予防薬による予防

近年、性行為後72時間以内に抗生物質「ドキシサイクリン(ビブラマイシン)」を服用することで、梅毒・クラミジア・淋病の感染リスクを軽減する「DoxyPEP(ドキシペップ)」という予防薬があります。

この予防薬は、薬剤耐性菌を生み出すリスクや、吐き気・光線過敏症などの副作用もあるため、医師の指導のもとで適切に使用する必要があります。

また、HIVやヘルペスなど、この薬では予防できない性感染症もあるため、コンドームの使用など他の予防策と併用することが重要です。

予防薬の使用を検討する場合は、必ず医療機関で相談し、定期的な検査を受けるようにしましょう。

コンドームは有効だが確実に予防できるわけではない

梅毒をはじめとする多くの性感染症予防のために、コンドームの使用は非常に有効な手段です。

性感染症の多くは、粘膜同士の直接的な接触であるため、コンドームが粘膜を覆うことで感染リスクを大幅に減らせます。

しかし、コンドームさえ使用していれば絶対に予防できるというわけではないため、過信してはいけません。

性器の付け根や太もも・肛門の周辺など、コンドームで覆われない部分に梅毒の病変がある場合、病変への接触によっても感染する可能性があります。

また、オーラルセックスやアナルセックスも同様に、感染の可能性があるため必ずコンドームを使用しましょう。

注射針やピアス器具の共有によって感染する可能性もある

梅毒の主な感染経路は性行為ですが、稀に血液を介して感染する可能性もあるため注意が必要です。

性的な接触以外に注射針やピアス器具、剃刀など血液が付着する器具の共有によって感染する可能性もあります。

梅毒トレポネーマは血液中にも存在するため、血液を介する感染経路についても正しく理解し、安易な器具の共有を避けることが重要です。

また、注射針やピアス器具の共有は梅毒だけでなく、さまざまな性感染症に感染するリスクがあるため避けましょう。

よくある質問

梅毒に関するデマや偽の情報が拡散される中、症状や感染リスクについての疑問を抱える方も多いでしょう。

ここでは、梅毒の症状に関してよくある質問とその回答を解説するため、疑問解決に活用してください。

手のひらに赤い発疹ができたけれど梅毒?かゆくない発疹は危険?

手のひらの発疹の原因は梅毒だけでなく、手足口病や薬疹など他の病気による可能性もあるため医療機関にて検査を受けましょう。

二次梅毒の典型的な症状として、手のひらや足裏に痛みやかゆみのない発疹が現れます。

しかし、自己判断で放置したり、市販薬を使用したりすると、病状の悪化や完治の遅れにつながります。

梅毒の感染が疑われるような性行為があった場合は、早急に医療機関を受診しましょう。

まとめ

「梅毒に感染するとキノコが生える」という情報がありますが、デマのため信用しないようにしましょう。

梅毒は梅毒トレポネーマによって引き起こされる病気であり、真菌によって発生するキノコとは全くの別物です。

症状の一つである梅毒の扁平コンジローマや、他の性感染症の隆起性の病変部分が「キノコのよう」と表現された可能性があります。

万が一、性器周辺にできものや隆起性の病変が現れた場合は、医療機関にて検査・治療を受けましょう。

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この記事を書いた人

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