『症状がないから大丈夫』という考え、
危険かもしれません!
最近流行している性感染症の特徴は、「症状が現れにくい」ということです。今回は「症状が現れにくい」性病について、どの性病が無症状になりやすいのか、放置すると何が起きるのか、いつ検査を受ければよいのかを、上野院の実測データも交えて解説します。特に不特定多数との性行為や風俗の利用に心当たりのある方に読んでいただきたい内容です。

無症状の性病に要注意
以前の日本で流行していた性病は、感染するとはっきりとした症状が現れることが多く(もちろん例外もございます)、感染したことが本人に比較的早くわかりました。ところが最近の性感染症は、感染した本人でさえ気づかないことがあるのです。

感染に気づかないということは、知らない間に他人にうつしてしまう可能性がある、ということです。
また、性病に気づかないまま放置すると、男性では精巣上体炎(副睾丸炎)などを起こし、男性不妊の原因となることがあります。性器クラミジア感染症では男性の精巣上体炎が合併症として知られています(出典: 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「性器クラミジア感染症」)。

男性で無症状のまま経過しやすい性感染症
「無症状の性病」とひとくくりにされがちですが、症状の出にくさは疾患によって異なります。男性が受診の対象になりやすい主な性感染症を整理すると、次のようになります。
| 性感染症 | 男性に現れやすい症状 | 無症状のときに注意したいこと |
|---|---|---|
| 性器クラミジア感染症 | 尿道のかゆみ、軽い排尿時の痛み、透明でさらっとした分泌物 | 症状が軽く見過ごされやすい。放置すると精巣上体炎などを起こし、男性不妊の原因となることがある |
| 淋菌感染症(淋病) | 強い排尿痛、黄白色の膿 | 尿道では症状が出やすい一方、のど(咽頭)の感染では自覚症状がほとんど出ないことがある |
| マイコプラズマ・ウレアプラズマ | 尿道の違和感、軽い不快感 | 症状がごく軽いか、ほとんど出ないことがある。抗菌薬が効きにくい菌が増えているとされる |
| 梅毒 | 感染部位のしこりや潰瘍、手のひら・体幹の発疹 | 初期の症状は痛みを伴わず自然に軽快することがあるため見逃されやすく、その後も病期によって症状が変化する |
| HIV感染症 | 急性期の発熱・発疹など | 初期症状が出ない場合もあり、その後は無症状の期間が続くことがある |
症状から疑われる疾患をもう少し詳しく確認したい方は、症状別・性病の一覧もあわせてご覧ください。
上野院の実測データ|のど(咽頭)の感染は特に気づきにくい
無症状の感染がどのくらいあるのかは、実際に検査を受けた方のデータを見るとイメージしやすくなります。以下は川崎検査クリニック上野院で実施した検査の陽性率です(集計期間: 2024年7月13日〜2026年3月31日)。のど(咽頭)は自覚症状が出にくい部位ですが、それでも一定の割合で陽性が見つかっています。
| 検査項目 | 検査件数 | 陽性件数 | 陽性率 |
|---|---|---|---|
| クラミジア(咽頭) | 1,784件 | 36件 | 2.0% |
| 淋菌(咽頭) | 1,753件 | 76件 | 4.3% |
| マイコプラズマ・ウレアプラズマ4菌種のいずれか(咽頭) | 1,619件 | 149件 | 9.2% |
| 梅毒(TP抗体) | 1,292件 | 45件 | 3.5% |
※マイコプラズマ・ウレアプラズマは、マイコプラズマ・ジェニタリウム/ホミニス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム/パルバムの4菌種を対象とし、同じ方が複数の菌種で陽性になる場合があるため、重複を除いた「いずれか陽性」の件数で算出しています。
なお、のどのクラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ウレアプラズマはうがい液のみで採取するため、綿棒でのどをぬぐうことはありません(のどのHPV検査をご希望の場合のみ綿棒での採取になります)。検体の採り方は性病検査の方法一覧で確認できます。
心当たりのある行為があれば、上野院なら予約不要・匿名で当日検査が可能です。→ WEB問診で来院準備をする
無症状のまま放置すると何が起きるか
自覚症状がないからといって、体の中で何も起きていないわけではありません。無症状のまま放置した場合、次のようなリスクが高まるとされています。
- 不妊につながることがある(クラミジア・淋菌など)。男性では精巣上体炎を起こすことがあります。
- パートナーへ感染を広げてしまう。自分が気づいていないため、予防の判断ができません。
- 母子感染のリスク(梅毒・クラミジア・ヘルペスなど)。パートナーの妊娠に関わります。
- 他の感染症にかかりやすくなる。粘膜に炎症や傷があるとHIVなどの感染リスクが高まるとされています。
- 他の臓器へ影響が及ぶことがある(梅毒では心臓や神経への影響が知られています)。
いずれも「早く見つけて治療すれば避けられた」ケースが少なくありません。無症状の段階で見つけることに意味があるのは、このためです。
いつ検査を受ければよいか
感染してすぐは検査で検出できないことがあるため、検査を受けられる時期は項目によって異なります。クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ウレアプラズマは感染機会から24時間以上、HIVは4週間、梅毒は1か月が目安です。心当たりの時期を受付や診察時にお伝えください。検査項目ごとの結果が出るまでの日数は結果通知の目安日数にまとめています。
どの検査を受ければよいか分からない場合は、複数の項目をまとめて調べられるセット検査があります。項目と料金は検査メニュー一覧と料金一覧でご確認いただけます(自由診療のため全額自己負担となります)。
症状がなくても心当たりがあるなら、上野院は予約不要・匿名で当日の検査に対応しています。→ WEB問診で来院準備をする
まとめ
不特定多数との性行為や風俗の利用に心当たりのある方をはじめ、性病にかかっていないかどうかは検査をしないとわかりません。最近の性感染症は症状が出にくく、「症状がない=感染していない」とは言えません。検査をしたことがない方は、一度受けておくと安心です。
川崎検査クリニック上野院は、上野駅から徒歩4分・御徒町駅から徒歩3分・上野御徒町駅から徒歩2分の場所にあります。診療時間・行き方はアクセス・診療時間をご覧ください。
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「性器クラミジア感染症」https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/chlamydia-std/index.html
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「淋菌感染症」https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/gonorrhoea/index.html
- 厚生労働省「性感染症」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html
この記事の監修者
大宅 裕之(おおたく ひろゆき)/川崎検査クリニック川崎院 院長。2021年 山口大学医学部卒業。山口赤十字病院での勤務を経て、2025年より川崎検査クリニックにて男性専門の性感染症外来に従事。2026年7月、同院長に就任。検査から治療までの診療を行う。
最終更新日: 2026年8月20日
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。症状や不安がある場合は医療機関を受診してください。

