原因のわからない発熱やだるさが続くとき、その原因は生活習慣やほかの病気などさまざまで、HIV感染症だけが原因ではありません。ただしHIVに感染した初期にも発熱やリンパ節の腫れなどが出ることがあり、どれもHIV感染症に特有の症状ではないため、症状だけで感染しているかどうかを判断することはできません。心当たりのある性行為から4週間たっていれば、検査で確かめることができます。
この記事では、HIVに感染してからエイズを発症するまでの経過と、それぞれの時期にみられる症状を解説します。
HIV感染症の病期別にみられる症状
HIVに感染した後は、感染初期(急性期)、無症候期、エイズ発症期という経過をたどります(厚生労働省「HIV・エイズって何?」)。

感染初期(急性期):発熱などインフルエンザのような症状
感染初期には、HIVが体内で免疫のしくみの中心であるTリンパ球などに感染し、急激に増えます。感染してから2〜6週間のあいだに、50〜90%の人に発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛み(咽頭炎)、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢などの何らかの症状がみられるといわれています。これらの症状は体の免疫の働きによって数週間で消えます。
いずれもHIV感染症に特有の症状ではないため、感染したかどうかを調べるにはHIV検査を受けるしかありません。感染初期の症状はHIVの初期症状でくわしく解説しています。

無症候期:症状がないまま数年〜10年以上続くことも
初期の症状が消えると無症候期に入ります。無症候期は数年〜10年以上続く人もいますが、感染後短期間のうちにエイズを発症する人もいます。症状がない間もHIVは体の中で増え続けており、免疫に大切な細胞が少しずつ減っていきます。
エイズ発症期:日ごろかからない病気にかかりやすくなる
健康なときには血液1μlあたり700〜1500個あるTリンパ球が200個未満になると免疫不全の状態となり、日ごろかかることのないさまざまな病気にかかりやすくなって、エイズを発症します。

エイズとHIV感染症の違い
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、体を病原体から守る免疫に大切なTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染するウイルスです。HIVに感染した状態がHIV感染症で、感染した細胞の中でHIVが増え、これらの細胞が徐々に減っていきます。
その結果、普段は感染しない病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症した状態をエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)といいます。代表的な23の疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズと診断されます(厚生労働省「HIV・エイズって何?」)。つまり、HIVに感染してもすぐにエイズになるわけではありません。
HIVの感染経路と予防についてはHIVの予防方法で解説しています。
早く見つけることが大切な理由
現在、HIVを体内から完全に取り除く治療法はありませんが、抗HIV薬でウイルスの増殖を抑えてエイズの発症を防ぐことで、長期間にわたり健康なときと変わらない日常生活を送ることができ、HIVを持っていない人と変わらないくらいの寿命が期待できます。
一方で、エイズの発症によってはじめてHIVに感染していたことが分かる例が、HIV感染者全体の約3割を占めています。エイズを発症してからの治療もある程度は効果がありますが、発症前と比べると明らかに劣ります。症状のない時期のうちに感染を知ることができれば、最適な時期に治療を始められます(厚生労働省「HIV・エイズって何?」)。
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HIV検査を受けられる時期と上野院での受け方
当院では第4世代HIV検査(CLIA法)にてスクリーニング検査を実施しており、感染機会から4週間経過していれば検査を受けていただけます。検査は採血で行います。
検査の方法は検査方法の解説をご覧ください。
結果が出るまでの時間
- 約10分: 簡易ヘルペス検査(皮膚擦過・抗原検査)
- 当日19時頃(13:00までの検体採取): 淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ/梅毒TP抗体/HIVスクリーニング
- 2日以降: 一般細菌・カンジダ・トリコモナス・細菌定性検査(尿)が最短2〜5日、HPV型別検査が最短4〜17日
即日検査をご希望の場合、13:00までの検体採取で最短当日19時頃に結果をお知らせします(14:30以降の採取は翌日19時まで)。
HIV以外の性病もまとめて調べたい方は性病検査メニュー、項目ごとの料金は料金ページでご確認いただけます。
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よくある質問
感染してから2〜6週間のあいだに、50〜90%の人に発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛み、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢などの症状がみられるといわれています。症状は数週間で消え、その後は症状のない無症候期に入ります。
判断できません。HIVの感染初期にみられる症状は、いずれもHIV感染症に特有のものではないため、感染しているかどうかを調べるにはHIV検査を受けるしかありません。
すぐにはなりません。感染初期の後に無症候期があり、数年〜10年以上続く人もいます。免疫に大切な細胞が減って、代表的な23の疾患のいずれかを発症した時点でエイズと診断されます。ただし感染後短期間でエイズを発症する人もいます。
当院では第4世代HIV検査(CLIA法)でスクリーニング検査を行っており、感染機会から4週間経過していれば検査を受けていただけます。予約は不要です。
参考文献
- 厚生労働省「HIV検査・相談マップ/HIV・エイズって何?」https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/knowledge/whatis/
この記事の監修者
大宅 裕之(おおたく ひろゆき)/川崎検査クリニック川崎院 院長。2021年 山口大学医学部卒業。山口赤十字病院での勤務を経て、2025年より川崎検査クリニックにて男性専門の性感染症外来に従事。2026年7月、同院長に就任。検査から治療までの診療を行っています。
最終更新日: 2026年10月28日

