ビタミンDは、ママの健康を支えるだけでなく、お腹の赤ちゃんの骨や歯の形成にも関わる大切な栄養素です。そのため、妊娠中はビタミンDも意識して摂った方がよいと知り、「自分は足りているのかな?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
世界各国の研究をまとめた報告では、ビタミンDが欠乏状態にある妊婦さんは全体の54%にのぼりました(※1)。日本人妊婦を対象とした研究でも、ビタミンD不足が多くみられたことが報告されています(※2)。
この記事では、妊婦さんにビタミンDが必要な理由や、不足した場合に考えられる影響をわかりやすく解説します。ビタミンDを多く含む食べ物や、効率よく取り入れる方法も紹介するので、毎日の栄養管理の参考にしてくださいね。
※1 Global summary of maternal and newborn vitamin D status – a systematic review.Matern Child Nutr. 2016.
※2 妊婦のビタミンD欠乏に関する実態調査 昭和学士会誌. 2020.
ビタミンDの働きとは?妊婦さんに必要な理由

ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を助け、丈夫な骨や歯を保つために必要な栄養素です。さらにそれだけではなく、免疫機能を支えたり、血糖値の調整や筋肉の働きに関わったりするなど、体のさまざまな機能を支えています。
また、妊娠中はお腹の赤ちゃんの骨や歯がつくられていく時期でもあります。赤ちゃんの骨格をつくる材料となるカルシウムを体内で利用するためにも、ビタミンDは欠かせません。
このように、ビタミンDはママの体を支えるだけでなく、お腹の赤ちゃんの成長にも関わります。妊娠中にビタミンDが足りなくなると、ママや赤ちゃんにどのような影響が考えられるのか、次で詳しく見ていきましょう。
ビタミンDが不足するとどうなる?
妊娠中にビタミンDが不足した状態が続くと、妊娠の経過や赤ちゃんの発育に影響が現れる可能性があります。ママと赤ちゃんそれぞれへの影響について見ていきましょう。
妊娠の経過に影響する可能性は?

妊娠中のビタミンD不足は、妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病、早産などと関連することが報告されています。妊婦さんを対象とした複数の研究をまとめた報告では、血中ビタミンD濃度が低い女性は、十分な女性に比べて、これらのトラブルが起こりやすい傾向がみられました。
発症した人としなかった人の割合をもとに算出する「発症しやすさ(オッズ)」は、妊娠高血圧腎症で約2.1倍、妊娠糖尿病で約1.4倍、早産で約1.6倍とされています(※1)。
また、別の研究でも、ビタミンDが欠乏している女性では、充足している女性に比べて、流産の起こりやすさ(オッズ)が約1.9倍だったという報告もあります(※2)。
ビタミンD不足がこれらの妊娠トラブルを直接引き起こすとまでは言い切れませんが、妊娠経過との関連が注目されています。
※1 Maternal vitamin D status and adverse pregnancy outcomes: a systematic review and meta-analysis. J Matern Fetal Neonatal Med. 2013.
※2 Vitamin D and miscarriage: a systematic review and meta-analysis. Fertil Steril. 2022.
赤ちゃんの発育にも影響する?

妊娠中のママのビタミンD状態は、生まれてくる赤ちゃんのビタミンD状態にも影響します。
母体のビタミンDが不足していると、赤ちゃんもビタミンD不足になりやすく、出生後のくる病につながる可能性があります(※1)。くる病とは、骨が十分に硬くならず、軟らかくなったり曲がったりする病気です。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収や代謝にも関わるため、新生児低カルシウム血症との関連も報告されています(※2)。そのほか、低出生体重や、在胎週数に対して小さく生まれる「SGA(在胎不当過小児)」のリスクが高い傾向を示したという研究報告も(※3)。
このように、妊娠中のビタミンD状態は、赤ちゃんの骨の健康だけでなく、発育にも関わる可能性があります。
※1 Maternal vitamin D status: implications for the development of infantile nutritional rickets. Rheum Dis Clin North Am. 2012.
※2 Relationship between vitamin D deficiency and neonatal hypocalcemia: a meta-analysis. J Pediatr Endocrinol Metab. 2023.
※3 Maternal vitamin D deficiency during pregnancy and low birth weight: a systematic review and meta-analysis. J Matern Fetal Neonatal Med. 2021.
Association between maternal vitamin D deficiency and small for gestational age: evidence from a meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ Open. 2017.
妊娠中はビタミンDが不足しやすいって本当?
ビタミンD不足による影響を知ると、「自分はきちんと摂れているのかな?」と気になる方も多いでしょう。実は、ビタミンDは食事から摂るだけでなく、日光を浴びることで体内でもつくられます。しかし、食事内容や過ごし方によっては不足が気になる場合も。
目安量と実際の摂取状況とともに、不足しやすい人の特徴もあわせて見ていきましょう。
妊婦さんに必要なビタミンDの目安量と摂取状況

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人女性のビタミンDの目安量は1日9.0μgとされています。
妊婦さんに付加量(妊娠中に上乗せして必要とされる量)は設定されていないため、妊娠初期・中期・後期を通して同じ9.0μgが目安です(※1)。
一方、実際の食事からの摂取量を見ると、令和6年「国民健康・栄養調査」では、妊婦さんのビタミンD平均摂取量は1日4.8μgと、目安量を大きく下回っています(※2)。食事からの摂取量だけを見ると、十分に摂れているとは言いにくい状況です。
ビタミンDは日光を浴びることでもつくられますが、食事からの摂取量が少なく、さらに外出する時間も短い場合には、不足してしまう可能性があります。
※1「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン)
※2 令和6年「国民健康・栄養調査」の結果
ビタミンD不足になりやすい人の特徴

妊娠そのものがビタミンD不足の原因になるわけではありません。ビタミンDが不足しやすいかどうかは、普段の食生活や日光に当たる機会があるかどうかに大きく左右されます。
とくに、次のような方は不足しやすい可能性があるため、意識しましょう。
- 魚やきのこを食べる機会が少ない
- 外出する機会が少ない
- 日焼け対策を徹底している
- 妊娠期間が冬に重なる
ビタミンDは、野菜や果物などにはほとんど含まれず、魚類やきのこ類など限られた食品に多く含まれています。そのため、こうした食品をあまり食べない方は、食事からの摂取量が少なくなりがちです。
また、家の中で過ごす時間が長い方や、肌の露出を極端に控えている方などは、日光に当たる機会が減ることで、皮膚でつくられるビタミンDの量も少なくなります。使用量や塗り方によって影響の程度は異なりますが、日焼け止めの使用もビタミンD産生に影響すると考えられています。
さらに冬は夏に比べて日照時間が短く、紫外線量も少なくなるため、皮膚でビタミンDをつくりにくい時期です。妊娠期間が冬に重なる方は、食事からの摂取にもより意識を向けてみてくださいね。
ビタミンDが足りているかを確かめる方法
実際のビタミンD状態を正確に判断するには、血液中の「25(OH)ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD)」を測定する方法があります。
測定結果は、以下の基準で判定されます(※)。
| 25(OH)ビタミンD濃度 | 判定基準 |
|---|---|
| 20 ng/mL未満 | 欠乏 |
| 20~29 ng/mL | 不足 |
| 30 ng/mL以上 | 充足 |
血中25(OH)ビタミンDは、医療機関で採血して調べることができます。ただし、すべての産婦人科で一般的な妊婦健診として測定しているわけではありません。不足が気になる場合は、妊婦健診の際に医師へ相談してみてくださいね。
また、最近では自宅で少量の血液を採取し、検査機関へ郵送するサービスもあります。医療機関を受診する時間が取りにくい方や、まずは自分の状態を知りたい方向けの方法です。
ただし、自宅検査で不足や欠乏と出た場合は、結果をもとに医師へ相談し、自分に合った補い方を確認しましょう。
妊娠中にビタミンDを効率よく取り入れる3つのポイント
ビタミンDを補うために、まずは普段の食事を見直しながら、必要に応じてサプリを活用する手もあります。
ここでは、妊娠中にビタミンDを効率よく取り入れる3つのポイントをご紹介します。
1.ビタミンDを多く含む食材を意識する

ビタミンDは、魚類やきのこ類に比較的多く含まれています。含まれる食品が限られているからこそ、こうした食材を意識して取り入れることが大切です。
ビタミンDを多く含む食材はこちら。
| 食材 | ビタミンD含有量(100gあたり) |
|---|---|
| きくらげ(乾) | 85.0μg |
| まいたけ(乾) | 20.0μg |
| しいたけ(乾) | 17.0μg |
| しらす干し | 61.0μg |
| まいわし | 32.0μg |
| さけ | 32.0μg |
| さんま | 16.0μg |
ビタミンDは油に溶けやすい特徴があります。そのため、油で炒めたり揚げたりすると、効率よく吸収できますよ。
また、きのこ類に含まれる「エルゴステロール」は、紫外線を浴びることでビタミンDに変化します。調理前にきのこを天日に当てたり、購入時にすでに天日干しされたものを選んだりするのもおすすめです。
毎日の食事に少しずつ取り入れて、ビタミンDを補っていきましょう。
2.妊婦さん向けのサプリで補う
「魚やきのこを食べる機会が少ない」「毎日栄養バランスを考えるのは大変」という場合は、サプリを活用して不足分を補う方法もあります。
サプリなら配合量が明記されているため、食事だけでは補いにくいビタミンDを毎日一定量取り入れやすいのがメリットです。
では、ビタミンDはどのくらい配合されているものを選べばよいのでしょうか。
1日の目安量は9μgですが、不足が気になる場合は多めに補えるサプリにも注目してみましょう。
また、妊娠中に意識したいのはビタミンDだけではありません。葉酸や鉄、カルシウムなど、赤ちゃんの成長やママの健康を支えるさまざまな栄養素が必要になります。
いくつものサプリを組み合わせるよりも、妊娠期に合わせて必要な栄養素をまとめて補えるものを選ぶと続けやすいですよ。

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※1 Daily Cholecalciferol Supplementation during Pregnancy Alters Markers of Regulatory Immunity, Inflammation, and Clinical Outcomes in a Randomized Controlled Trial. J Nutr. 2016.
※2 本製品に配合されている成分の選定および配合比率について、医師の監修・推奨を受けています。
3.外出や散歩で、適度に日光を浴びる

紫外線は日焼けやシミ・シワなどの原因にもなるため、「できるだけ浴びたくない」と感じる方もいるかもしれません。
顔や体の日焼けが気になる場合は、無理に広い範囲の肌を出す必要はありません。日常生活のなかで手など一部の皮膚に日光が当たるだけでも、ビタミンDはつくられますよ。
どうしても紫外線が気になるという場合は、メラニン色素の少ない手のひらに当てるよう意識するのも良いでしょう。
妊婦さんのビタミンD摂取に関するよくある質問

ビタミンDを意識して摂ろうと思うものの、「摂りすぎもよくないの?」「日光を浴びる機会が多ければ食事は気にしなくてもいい?」など、新たな疑問も出てきますよね。
最後に、妊婦さんのビタミンD摂取について気になるポイントをQ&A形式で解説します。
ビタミンDは摂り過ぎもよくないの?
ビタミンDは体に必要な栄養素ですが、多く摂れば摂るほどよいわけではありません。
ビタミンDを過剰に摂り続けると、血液中のカルシウム濃度が高くなり、吐き気や嘔吐、食欲不振、筋力低下、脱水などの症状につながることがあります。
ただし、日光を浴びて皮膚でつくられるビタミンDは体内で調整されるため、過剰になる心配はありません。また、通常の食事だけで摂り過ぎにつながるケースも多くありません。
注意したいのは、サプリメントやビタミンDを強化した食品を複数取り入れる場合です。商品ごとの目安量を守り、ほかのサプリとの重複にも気を付けましょう。
※「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン)
日光でビタミンDをつくれるのなら、食事やサプリは必要ない?
日光を浴びることはビタミンDを補ううえで大切ですが、日光だけで必要な量を安定してまかなえるわけではありません。
そのため、「外に出る機会が多いから食事は気にしなくて大丈夫」と考えるのではなく、日光による生成と食事からの摂取を組み合わせることが大切です。
食事だけでは不足が気になる場合は、必要に応じてサプリを活用する方法もありますよ。
ビタミンDの摂取はいつまで意識すればいい?産後も必要?
ビタミンDは、妊娠中だけでなく産後も引き続き意識したい栄養素です。
カルシウムの吸収を助けるため、産後のママの骨の健康を保つうえでも欠かせません。また、母体のビタミンD状態は母乳中のビタミンD量にも影響するため、授乳中も不足しないよう意識して摂ることが大切です。
産後は赤ちゃんのお世話で食事が不規則になりやすく、毎日の栄養まで気を配るのが難しいこともあります。
食事だけで十分に補うのが難しい場合は、産後・授乳期向けのサプリを活用していきましょう。
mamaruを含むミタスシリーズでは、産後・授乳期向けの「mamaco(ママコ)」も販売されています。mamacoは、目安量をカバーする25μgのビタミンDが補えますよ。
妊娠中はmamaru、産後はmamacoに切り替えて栄養をサポートしていきましょう。
赤ちゃんとママのためにビタミンDを補おう

ビタミンDはママの健康を支えるだけでなく、お腹の赤ちゃんの骨や歯の形成にも関わります。
食事からのビタミンD摂取量は不足傾向の方も少なくないため、普段から魚やきのこなどビタミンDを多く含む食材を意識して取り入れていきましょう。
食事からうまく補えているか心配な方は、サプリを活用して不足分を補うのもおすすめです。mamaruなら1日分で50μgと、ビタミンDをしっかり補えますよ。
食事・日光・サプリを上手に組み合わせながら、無理なくビタミンDを取り入れていきましょう。


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